マイセン「ブルーオニオン シリーズ」のご紹介

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

3月はあちこちで袴姿の学生さんを目にしました。
4月より新しい環境での生活が始まる方もいらっしゃることと思います。
特に変わりのない私は、気持ちだけでもフレッシュでありたいです…!

 

先日、出光美術館の「染付」展へ行ってまいりました。
会期終了間近の館内は盛況で、静かな熱気に満ちていました。
古今東西の青いうつわの魅力を存分に堪能。

おそらく皆様もご自宅にひとつはお持ちでしょう。
白地に青の文様は、あらゆるテーブルウェアのスタンダードですね。

染付の起源は14世紀の中国、元時代の景徳鎮窯で生まれた「青花(せいか)=青い文様の意」に遡ります。
青花は白磁にコバルトで絵付けをし、透明の釉薬をかけて焼成したもの。
アジア圏からヨーロッパへと伝播していく過程がわかりやすく紹介されていました。

青釉浮唐草文タイル イラン 13~14世紀

また、大変興味深かったのが、青花の誕生にはイスラム文化の影響があったという考えです。
紀元前より作られていたガラス、装飾品、陶器、寺院などを彩るタイル…
天空の色への憧憬が時代も地域も超えて、日常の中に青を取り入れたいという万国共通の想いになったのかもしれません。

(以前当ブログでご紹介した、LIXILギャラリーと同じLIXIL文化活動のひとつ、世界のタイル博物館より画像を引用させていただきました)

 


マイセン ブルーオニオン西洋陶磁器の王者マイセン窯のブルーオニオンシリーズからも1点展示がありました。

ブルーオニオンは1739年、絵付師ヨアン・ヨアヒム・クレッチマー(1677-1740)がデザイン。
ヨーロッパではまだザクロが知られておらず、玉葱に見えたため、このように呼ばれるようになったと言われています。
菊、竹、桃、ザクロ、瓜といった中国の縁起の良い植物が組み合わされた文様は今も高い人気を得ています。

他のメーカー(フッチェンロイター、カールスバードが有名)も意匠使用権を正式に購入して生産していますが、本家本元のマイセン版には竹の根元にマイセンの印、青い双剣が入っています。

 

新生活を迎える方だけでなく、変わらずの方も、新しいテーブルウェアと共に春を迎えてみてはいかがでしょう?
古代より世界が憧憬してきた青の美しさ。
心を洗ってくれる聖なる水のようにも感じます。

 

マイセン作品についての過去記事もぜひお読みください!
2017/10/20 マイセン「りんご狩り」のご紹介
2014/02/03 マイセン「忘れな草アップリケカップ&ソーサー」のご紹介

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(K・T)