LIXILギャラリー「タイルが伝える物語」

 

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

先日、銀座をぶらぶらしていた時のこと。
何だか素敵な本屋さんが目に留まり思わず中に入ってみました。
デザインやインテリア、建築、アートを中心にセンスの良い書籍が並べられているこの場所。
トステムやINAXなどの住生活ブランドが統合して2011年に誕生した会社「LIXIL」により、企業活動の一環として経営されています。


 

店内に入り色々と眺めていると、壁に貼られていたポスターにふと目を奪われ、導かれるままに建物の2階へ上がりました。
銀座にはたくさんのアートスポットがあると以前にご紹介しましたが(詳しくはこちら)、どうやらここにもギャラリーがあるようです。


2階スペースは3ギャラリーに分かれ、企画展や個展などを各々開催。

ポスターで告知されていた「タイルが伝える物語」展では、LIXILの前身会社・INAXが収蔵する幅広い装飾タイルコレクションから、タイルが果たす「図像学的役割」に焦点を当て、①西洋 ②中国 ③イスラムにおけるタイルが展示されていました。

「図像学的役割」とはつまり、タイルに描かれた事物が伝えるメッセージのこと。
元々、神殿などの神聖な建築物の装飾に用いられてきたタイルは、時を経て次第に民衆にも広がり、さらに建材用途以外の機能が、
その土地の風俗と交りあいながら生まれていきました。

例えば西洋のタイルで描かれた主題は聖書。
親が子どもに聖書の教えを説明する際に、身近なタイルを使うことでより親しみやすく伝えやすくなったことでしょう。

展示の様子

時代や場所、宗教の異なる「タイル」に秘められた歴史が学べる貴重な体験でした。
それにしてもタイルのコレクションとは、住環境にまつわる企業ならではの収集物ですよね。
愛知県の常滑市にも陶製品をメインにした大型の展示施設があるそうですよ。

小さな職人たちより「研ぎ屋」

 

そういえば、藤田嗣治もオランダのタイルに魅せられた一人。
15cm四方のタイルに視覚的面白さを見出した藤田は、タイルに職人姿の子どもを描いた連作「小さな職人たち」を制作。
その数は何と200枚以上にも及びます。
真剣に仕事に向かう子どもたちの姿がタイルの小さなサイズに描かれることで本当に愛らしく仕上がっていますよね。

今回は、時を超えてつながるタイルの奥深い魅力をご紹介いたしました。

(R・K)