Isadora Duncan – イサドラ・ダンカン –

こんにちは。
新しい年が始まりましたね。
本年も当ブログではアートに関するさまざまな話題をご紹介していきますのでご期待ください!

吉祥寺店にて開催中の「新春アート・バザール」はお陰様で連日にぎわっております。
当HPからもご購入可能ですので、ぜひ特集ページをご覧くださいませ。

サビーノ イサドラ ISADORA

このバザールにて出品中のサビーノ作「ISADORA」は、高さ24 cmと存在感のある乳白色の美しい女性像。
(作品ページはこちら
モデルとなったイサドラ・ダンカン(1877-1927)はロイ・フラー(1862-1928)と並び、モダン・ダンスの先駆者と呼ばれています。
新しいダンスを提唱した二人は共に米国出身ですが、パリで共演も。

ロイの伝記映画「ザ・ダンサー」(2016年)の中で、イサドラ役をジョニー・デップの愛娘リリー=ローズ・デップが演じていました。
その美しいダンスシーンは主役のロイのダンスに勝るとも劣らず、とても印象深いものでした。

以前のブログで少しだけふれましたが、ロイのダンスは衣装や照明による演出の効果が際立っていたと言われます。

一方、イサドラのダンスを一言で表すとしたら「自然」。
型を重んじるクラシックバレエから解放された、軽やかで自由な踊りを創り上げていきます。

イサドラ自身の伝記映画「裸足のイサドラ」(1968年)では、波乱に満ちた彼女の人生が描き出されました。
本作でカンヌ映画祭主演女優賞を受賞したヴァネッサ・レッドグレイヴは、半年間のレッスンを受けた見事なダンスを披露。

家族と共に渡欧後、イサドラはヨーロッパ各地で活躍しました。
めくるめく恋愛遍歴、未婚のままの出産、あってはならない不幸な事故…
濃厚でドラマティックな私生活に驚きつつ、衝撃のラストシーンまで目が離せないフィルムでした。

踊ることは束縛から自分を解き放ち、自然と調和すること。
古代ギリシャ芸術を深く信奉した彼女の踊る姿はまさに”生きた彫刻”のようだったそう。
いつも裸足で、ときには裸で踊ったイサドラの存在は、ダンス界を揺るがす大きな衝撃だったことは疑いありません。

イサドラと生徒たち(ベルリン)

ベルリン、パリ、モスクワでは寄宿学校を創立したイサドラ。
すべて学費は無料で、公演などで得た収入が運営費となりました。
彼女の思想は生徒たちを経て、世界各地で継承されていくことになるのです。


イサドラに魅了された芸術家は錚々たる顔ぶれです。
前述のサビーノのほか、ロダン、ブールデル、カリエール、コクトー、ウォルコウィッツ…

 

オランジュリー美術館のTwitter記事より引用

つい数日前には、パリ、オランジュリー美術館の「睡蓮の間」でイサドラのダンスが再現されました。
振付師、研究者としても名高い、現在のダンス界を牽引するフランソワ・シェニョーによるパフォーマンスに観客が酔いしれたそう。
「睡蓮の間」ではこうしたイベントが定期的に行われているようです。

美術と瞬間芸術のコラボレーションに今後も要注目です!

(K・T)