創作源はゴッホやシャガール!トップブランドの最新ファッションコレクション
こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。
毎シーズン、最高級のクチュリエ技術と華やかなショー演出で世界中の人々を惹きつけるファッションコレクション。
様々なインスピレーションソースから一流デザイナー達が生み出す個性溢れる作品は、どれも芸術と呼ぶにふさわしい珠玉の逸品です。
時にデザイナーは、過去の(あるいは現在の)芸術家にインスパイアされ、その芸術家作品を再解釈し自らのファッション哲学と融合させます。
今回は、アート作品に触発されルックを発表したファッションブランドの最新クリエーションをご紹介しましょう。
アートとモードの関係については、以前ブログでもピエト・モンドリアンとイブ・サンローランを例にご紹介いたしました。
(詳しくはこちら)
一世を風靡した「モンドリアン・ルック」は今からちょうど50年前。
1965年にイブ・サンローランが発表した不朽の名コレクションです。
では「モンドリアン・ルック」から50年後の2015年。
最新のファッション業界はどうなっているのでしょう?
パリ、ニューヨーク、ミラノ、ロンドンなど世界有数の大都市で開催されるファッションウィーク。
毎年、以下の時期に各ブランドが最新コレクションを発表します。
1月 春夏オートクチュールコレクション
3月 春夏プレタポルテコレクション
9月 秋冬オートクチュールコレクション
10月 秋冬プレタポルテコレクション
「オートクチュール」とは、生地の選定から縫製まで最高級の技術で顧客の体形に合わせてあつらえられる1点物のオーダーメイド服。
その顧客は、王侯貴族や女優など上流階級に属するセレブ達です。
それに対し「プレタポルテ」とは、一定基準のサイズを元に量産される高級既成服。
当然、価格もオートクチュールよりは安価になります。
今年1月に行われた春夏オートクチュールコレクションでは、パリを代表するトップブランドが「アート」に着想を得た斬新なスタイルを発表しました。
まずは前衛的なデザインセンスと力強い存在感で高い評価を得るオランダ人デュオ「ヴィクター&ロルフ」。
今回は、ゴッホの描く風景画に強く影響を受けたエネルギッシュなドレスを披露しました。
モデルの被る麦わら帽子がゴッホが過ごした南仏アルルの思い出に重なりますね。
直接的には分かりにくいですが、シャガールが今回の創作源だという「ヴァレンチノ」。
優雅で洗練された究極のエレガンスを追求するパリの老舗メゾンです。
よく見るとシャガール作品に登場する魚や雲、虹などのモティーフが華やかなドレスの上で飛び交い、愛に溢れたシャガール作品の世界観が十分に伝わります。
平面的で視覚的という絵画の持つ限定的な特徴から脱却し、立体的さらには実用的と幅を広げるキャンヴァスを飛び出した巨匠たちの芸術作品。
時間や分野を超えて過去の芸術にアプローチする21世紀らしい表現ですよね。
今回はファッションコレクションの最前線から、進化を続けるアートとモードの関係をご紹介しました。
(R・K)