乙女心をくすぐる「花モチーフのジュエリー展」開催中!(~4/30まで)

こんにちは。
ブログをお読みくださり、ありがとうございます。

毎年この季節になると、日々報道される桜の開花予報に耳を傾け、今にも咲きそうなふっくらとしたつぼみを想像し、心弾ませています。
桜以外にも、モクレンやユキヤナギ、コブシなど、まだ冬の名残りのあるこの季節に咲く花は、どこか凛として力強さを感じます。

さて当店では、只今開催中の「ラウル・デュフィ展」と併せまして、「花モチーフのジュエリー展」を併催中です。
デュフィの描く、弾むように咲く花々とは異なる、繊細でデリケートなジュエリーのモチーフになった花たち。
そこには、花そのものの生命力さえ感じるような緻密な描写力と繊細で確かな職人魂が宿っています。

しかし、人がジュエリーを身に付け始めたのはいつ頃のことなのでしょうか。

キツネの歯のネックレス(紀元前26,000年頃)

 

そもそも装身具としてのジュエリーの歴史は非常に古く、その最古は4万年以上前に遡るとも言われています。

当時はファッションというよりは「魔除け」としての意味合いが強く、動物の骨や歯の一部、角などを身に付けることで、殺めた動物と同じ強い力を宿すことができると信じられていました。

魔除けのペンダント紀元前254年
素材は、金・ラピスラズリ・トルコ石・
カーネリアンを使用し、とても豪華

そののち、紀元前3000年頃になると、貴金属や鉱物などを加工した装飾品が登場。
原料となる宝石や鉱物には、やはり魔術的な効果があると期待されました。
例えば、
地上で最も硬い鉱物であるダイヤモンドを身に付けると、闘いに勝利できる。
人間の血の色をしたガーネットは、生命力の源である。などなど・・・
現在のパワーストーンの礎となるような発想ですね。

エリザベス・テイラーが演じた映画「クレオパトラ」

 

誰もが知る古代エジプト王朝の最後の女王、クレオパトラも絢爛豪華なジュエリーで着飾っていたことで知られています。
魔除けやお守りであったジュエリーが、ファッション性の高い装身具として求められるようになったのです。

宝石の中でも、神秘的な深い緑色を持ち瞳を美しくするといわれるエメラルドに魅了された彼女は、“クレオパトラ”と自身の名を付けた鉱山を所有するほどだったとか。

その後、メディチ家が権力を持つルネサンス時代以降になると、ジュエリーは王族や貴族が富と権威の象徴として所有する”資産”となってゆくのです。
この流れは、以前のブログでもご紹介しましたので、よろしければご覧ください。
「カメオ彫刻の歴史」<前編>

 

19世紀産業革命の時代を経るとジュエリーの需要もガラリと変わり、王侯貴族のみの特権であったジュエリーが、一般市民でも気軽に楽しめるものへとなっていきます。
それまでの、十字架や神話の人物を象った宗教的なモチーフからも離れ、より一層自由な発想が生まれていったのです。

アールヌーヴォーブローチ(1910年頃)

1900年前後に流行したアールヌーヴォーの時代には、よりデザインが豊かになり、草花や昆虫、爬虫類など、生き物をモチーフにした作品が次々と生まれました。
まるで生きているかのような、生命力を感じるデザインの数々・・・。

優雅で流れるような、曲線を多用したジュエリーに、世の女性たちの溜め息が聴こえてきそうです。
只今開催中の「花モチーフのジュエリー展」では、薔薇、花水木、忘れな草・・・など、これからの季節に咲く花々をモチーフにしたジュエリーも展示しています。
春の装いにぴったりな一点を、探されてみてはいかがですか。

サラ・コベントリー「オレンジとグリーンガラスのバラブローチ」 MONET 「ハナミズキイヤリング」 クレメンツ「忘れな草イヤリング」
現在の井の頭公園の桜の様子

井の頭公園の池のかいぼり作業も無事終わり、元の美しい池の姿に戻りました。
今週末にかけては、桜も満開となりそうです。
散策がてら、是非お立ち寄りくださいませ。
「花モチーフのジュエリー展」は来月も継続して開催予定です。


(M・M)