東京国立近代美術館フィルムセンター「ミュージカル映画の世界」


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ブログをお読みいただきありがとうございます。

授賞式の様子

映画製作に関わる人々の労と成果を讃え贈られる、アメリカのアカデミー賞。
先月、今年の授賞式が行なわれましたね。皆様ご覧になりましたか?

授賞式では、著名アーティストによるパフォーマンスも目玉の一つ。
今年は、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の製作から50周年だそうで、レディー・ガガによる同作の特別メドレーが披露されました。
ラストには、同作で主演を演じたジュリー・アンドリュースが登壇。
レディー・ガガの美しい歌声と往年のスターの登場で、会場からはスタンディングオベーションが沸き起こるという感動的な一幕がありました。


皆様はお気に入りのミュージカルがありますか?

本日はそんなミュージカルにちなみ、東京国立近代美術館フィルムセンターで現在開催中の展覧会をご紹介します。

20世紀初頭にアメリカで誕生したミュージカル。
そのルーツはヨーロッパのオペラやバレエまで遡りますが、元々貴族や上流階級向けであったこれらの娯楽。
それがアメリカ大陸に渡り、庶民にも簡単に楽しめるようにと音楽・演劇・ダンスを融合したミュージカルという独特のショー形式に変わっていきました。
その後、現在もNYのブロードウェイなどで上演され、誰もが知る国民的な大衆芸術として発展したのは皆さんもよくご存知の通り。
まさにミュージカルは20世紀アメリカ文化繁栄の象徴なのです。

この頃、映画産業にも大きな変化が現れます。
チャップリンらが活躍したサイレント映画から、トーキー映画(映像と音声が同期した映画)が誕生。
それに伴って、ミュージカルも映画化できるようになりました。
それまで大都市での公演およびライブパフォーマンスのみであったミュージカルが、地元の映画館でも手軽に楽しめるようになりミュージカル映画界は活況を呈します。

今回のミュージカルポスター展では、そうしたアメリカミュージカル映画黄金時代の当時のポスターを展示。
全てイラストレーターの和田誠氏の個人コレクションだそうです。

ミュージカル映画を彩った豪華なスター達が勢揃いしたポスターは、フォントやデザイン、色調などそれぞれに個性があり、全く見飽きることがない名ポスターの数々です。

また、この東京国立近代美術館フィルムセンターでは、常設展示として日本の映画史に関する様々な文献、映写機、撮影台本、雑誌、ポスターなどの膨大なコレクションを紹介。
人気俳優・女優のブロマイドやサイレント映画からトーキー映画まで貴重な所蔵品の数々を一同に展示しています。

同館は映画フィルムや映画に関する記録(フィルム・アーカイブ)を大切な歴史遺産と考え、後世に残そうとする様々な映画保存運動に取り組んでいます。
こうした活動が今後も分野を超えて積極的に広まっていくといいですね。

(R・K)