目黒雅叙園「和のあかり×百段階段展」


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ブログをお読みいただきありがとうございます。

うだるような暑さが続く盛夏の日本列島。
ちょっとした外出も億劫になりがちな毎日が続きますが、この時期だからこそ奥深く味わえる”涼”の催し物が全国各地で開かれています。

創業から87年を迎えた目黒雅叙園。
その園内で唯一の木造建築の建物が通称”百段階段”。
ケヤキ板で建てられた長い階段廊下沿いには趣の異なる7つの部屋が配され、各間は荒木十畝や鏑木清方、磯辺草丘など当代一流の芸術家たちが手がけました。

現在ここで開催中の涼の催しが「和のあかり×百段階段展」。
都の指定有形文化財でもあるこの特別な空間を舞台に、日本の伝統的なあかりを灯す「和のイルミネーション」を展開しています。




「十畝の間」(左)
和紙行燈の柔らかいあかり越しに見る、葛飾北斎の浮世絵を展示。
「漁樵の間」(右)
彩色木彫りの装飾的な和室にねぶたの力強いあかりを照らした豪華絢爛な世界。




「草丘の間」(左)
部屋全体に吊るされた500個の江戸風鈴と、磯辺草丘による天井の山水画が心地よい涼やかさ。

「静水の間」(右)
闇夜に浮かぶ”月”のあかりをテーマにした空間。
行燈の柔らかな光とは異なる、どこか冷たい青白い光が印象的。




「星光の間」(左)
自然の草木にあかりを灯した星光の間。葉脈一本一本まで見える枯葉たちはまるで生命が灯っているよう。

「清方の間」(右)
美濃の手漉き和紙で制作された創作行燈が、鏑木清方の美人画を仄かに照らす間。




「頂上の間」

最上階の間に並ぶのは、約2000個の提灯のあかり。
夏祭りの囃子が聞こえてきそうな賑やかさ。


今回の企画展は、暗闇に浮かびあがる温もりあるあかりがとても美しく、日本人の変わらぬ美意識や感性の高さを改めて感じる展示でした。
また、歴史的な建造物の中でけやき板の香りや階段の軋む音も合わせて空間全体で鑑賞できるのも魅力です。

今週末までの開催なので、まだの方はお早めに!

(R・K)