ルイ・イカール美術館京都を訪ねて


こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

爽やかな初夏の気候も束の間、あっという間に6月、それが終われば蒸し暑い夏が到来しますね。
本格的な梅雨入りを迎える貴重な晴れ間や陽気は有意義に活用したいところです。

さて、少し前の話になりますが初夏の素晴らしい陽気に恵まれた5月中旬のとある日、
京都・八瀬界隈に佇む美術館を拝観する機会を頂戴いたしました。

JR京都駅から比叡山方面へ向かうバスで約1時間。
京都駅の喧噪と日差しの強さが嘘のように八瀬界隈に降り立った瞬間、
傍を流れる高野川の清らかなせせらぎと冴えわたる空気がまず私たちを迎えてくれました。


涼やかな川の音を感じながら道なりに進むと見えてくる、八瀬周辺の自然のようにパッと目を引く”青”のポスターと瀟洒な邸宅。「ルイ・イカール美術館」です。

このイカール美術館は、実は隣接する寺院「瑠璃光院」の敷地の一角にある付帯施設。
同院の大洞龍明管主が20代の頃より蒐集されているイカール作品200点以上の中から
毎年春と秋の開館時にテーマを変え、ここで40点ほど展示しています。

館内はサロンスペース、メインギャラリー、朝の間、昼の間、夜の間の5部屋から構成され、
展示の方法や演出によって無限の美しさを見せるイカールの魅力を再発見できました。
それぞれのお部屋をご紹介しましょう。

サロンスペース サロンスペース

美術館の引き戸を開けるとまず私たちを出迎えてくれたのが、高級感のあるサロンスペース(↑)。
優しく光が差し込む窓外の竹庭がまるで大きな額装のようになり、
世界中どこを探しても他では見られない「トスカ」と言っても過言ではありません。

メインギャラリー メインギャラリー

こちらは、広々としたスペースでゆっくりとイカールを堪能できるメインギャラリー(↑)。
パノラマのように広がる大きな窓から見える手入れの行き届いた中庭が心を清めてくれるようです。

朝の間 昼の間 夜の間

2階へ上がると現れる3つの小部屋(↑)。
「朝」「昼」「夜」のテーマをもうけたそれぞれ8畳ほどの空間に作品が展示され、
さらに照明や障子、活け花、鐘などの小道具で見事に演出されていました。

瑠璃光院

 

続いて、隣接する「瑠璃光院」を拝観。
美術館同様、春と秋のみの開館ですが、特に秋は毎年多くの観光客でにぎわう知られざる紅葉の名所。
この日は凛とした生命力を感じる青葉の絶景でしたが、秋はここが一面深紅や山吹色に色づきます。
今回の訪問のため特別に私たち一行をご案内くださった博識なご僧侶の興味深いお話のもと、
新緑に映える庭園や高野川の裏手に広がる山を借景にした素晴らしい眺望、棟梁のアイデアの活きた数寄屋造りの建築などを鑑賞。
心を鎮めて写経をする空間には20代位の若者も数多くいたのが印象的でした。

最後にこちら。
瑠璃光院の主庭を眺めながらいただいた和菓子「八瀬氷室」とお抹茶。
その昔、八瀬界隈に存在し毎年朝廷に献上していたという氷室(天然の氷や雪を夏まで貯蔵するむろ)にちなんだ季節感のある和菓子で、瑠璃光院でしかいただけない超絶美味の幻の逸品です。
今秋イカール美術館及び瑠璃光院が再び開館する折には皆様も是非、訪れてみてはいかがですか。
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(R・K)