三菱一号館美術館「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」


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明治維新以降、国の要となり開発の進んだ東京・日本橋界隈。
鎖国解禁によって欧米の文化や技術が流入し、東京駅を初め、日本銀行、三井本館、高島屋日本橋店など最先端の近代建築が次々と誕生しました。
明治時代の風を色濃く残す洋風の名建築たちの中には、国や都指定の重要文化財に認定されているものが少なくありません。

東京駅や皇居に程近い「三菱一号館」もこの時代の建築物の一つ。
明治政府が招聘した建築家ジョサイア・コンドル氏が設計を担当した洋風建築です。
老朽化のため一度取り壊されたものの、2009年に美術館や資料室を併設した施設として生まれ変わりました。

三菱一号館美術館は、そうした由緒ある明治建築の意匠とともに美術を鑑賞できる贅沢な空間。
現在は、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の印象派コレクション展が開催中です。

「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」は、アメリカの大実業家アンドリュー・メロン氏が蒐集した個人コレクションを国に寄付する形で、1937年に創設された美術館。
初期ルネサンスから近現代まで東西問わず幅広いコレクションを展開した同美術館は、さらにアンドリューの子エイルサとポールの姉弟が父親譲りの優れた審美眼を活かして、特に印象派作品を中心とした重要なコレクション形成に携わりました。

今回の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」に出品されているのは、そのエイルサとポールの尽力により集められた印象派コレクション。
内向的で控えめだったというエイルサの人柄が分かるような、穏やかで心が癒される作品の数々が館内を優しく満たしています。

モネやルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなど、錚々たる大芸術家の作品が肩を並べる圧巻の展示に思わずため息委が出てしまう本展。
個人的には象徴主義の画家ルドンが描いた素朴な村風景が大変爽やかで心に残りました。
皆様のお気に入りの作品はありましたか?

ルノワール「髪を編む若い女性」
ブーダン「オンフルール港の祭り」
ゴッホ「オランダの花壇」
オディロン・ルドン「ブルターニュの村」


2009年に復元・竣工した三菱一号館(画像は三菱一号館美術館HPより引用)

 

クラシカルで瀟洒な佇まいの三菱一号館。
一帯はレストランやファッションブランドが立ち並ぶ新たなお洒落スポットとして注目されています。
ゴールデンウィークは美術展がてら明治建築めぐりやショッピングを楽しむのも素敵ですね。
美術館内のミュージアムショップでは、弊社が収蔵する版画も販売しておりますので、お出かけの際は是非お立ち寄りくださいませ。


(R・K)