【吉祥寺店】11月「モーリス・ユトリロ展」開催中!

ギャルリー・アルマナック吉祥寺 ユトリロ展こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

今月の企画展「モーリス・ユトリロ展」がいよいよスタート。
モンマルトルの街並みを描いた作品で知られる画家ユトリロ(1883-1955)は、これまでも何度か吉祥寺店および軽井沢店にて特集させていただきました。
今回の展示の目玉は、先ごろ完本で入手したユトリロ挿画本。
(こちらのブログでも詳しくご紹介しています)

『モンマルトル・ヴェキュ』 Montmartre Vécu par Utrillo
出版元:エディション・ペトリデス  制作年:1947年

制作部数:240部  制作工房:ムルロ工房
技法:リトグラフ

“モンマルトルに生きて”というタイトルがつけられた本作は、ユトリロの友人で作家のフランシス・カルコが執筆したユトリロの評伝。
文中にはモンマルトルの景色を愛したユトリロの版画が22点収録され、20世紀初頭を生きた多くの芸術家たちに愛されたモンマルトルの世界が情緒たっぷりに描き出されています。
丘上に佇む白亜のサクレ・クール寺院や庶民の娯楽施設ムーラン・ド・ラ・ギャレット、芸術家のたまり場となったシャンソン酒場のラパン・アジルなど、20世紀のモンマルトルを象徴する路地裏の風景がつまった貴重な逸品。
240部の全扉頁に添えられた直筆のサインに本書へのユトリロの強い思いを感じます。

本展では、この挿画本『モンマルトル・ヴェキュ』から、11点の版画を額装・販売しております。

「サクレ・クール寺院とムーラン・ド・ラ・ギャレット」 「冬のモン=スニ通り」
「雪のサクレ・クール寺院」 「サン・ヴァンサン通り」 「サクレ・クールの見える丘公園」
「夕暮れのラパン・アジル」
「テルトル・ホテル」

『霊感の村』 Le Village Inspiré
出版元:シェ・ロトゥール  制作年:1950年

制作部数:490部  制作工房:ダニエル・ジャコメ
技法:ポショワール

また、『モンマルトル・ヴェキュ』と合わせて、1950年に発表された版画集『霊感の村』も、ユトリロ生前の作品で外せない傑作。
画家が絵を描くとき、その題材に選ばれるものや人、場所は自らの感性”インスピレーション”でピンときた対象でしょう。
ユトリロにとってまさにそれはモンマルトルのまちそのものでした。
一見、何の変哲もないその路地裏や街角には、画家ユトリロの創造欲を刺激する強い霊感が眠っていたのです。

 

「ル・ラパン」
「モンマルトルの小径」
「サン・ベルナール城」
「サン・リュスティック通り」

「サクレ・クールのカトリック聖心会館」
制作年:1940年頃 技法:リトグラフに直筆ペンサイン
エディション:62/100

本作は、ユトリロ直筆のサインが入れられた稀少なリトグラフ。
この場所はモンマルトル丘上にあるテルトル広場やサン・ピエール教会から、北に向かって斜面を降りるモン=スニ通りにかつてあったカトリックの集会所。
この光景を気に入ったユトリロは同じ構図で数点の油彩も残しています。
淡く優しい色遣いにユトリロの穏やかな表情が思い浮かぶようです。

こちらは、ユトリロが描いた上作品と同じ風景が撮影された、20世紀初頭当時のポストカード。
聖心会館の前で佇む女性は、ユトリロの作品によく描かれたふっくらとした体型の女性に重なるようですね。

静謐な風景という題材ながらも深い精神性を感じるユトリロ作品。
長く愛せるお部屋のインテリアとして、また大切な方への贈り物にいかがですか。
会期中の皆様のお越しを心よりお待ちしております。

弊社取り扱いのユトリロ全作品はこちらからどうぞ。

(R・K)