【4月企画展】ギャルリー・アルマナック吉祥寺「ミュシャ展~パリ時代を中心に~」開催中!


お待たせいたしました。
今月の新しい企画展が先週より始まりました。
今月も、2ヶ月連続でアール・ヌーヴォーの巨匠アルフォンス・ミュシャを大特集。

第二弾の展示は「ミュシャ展~パリ時代を中心に~」と題し、1894年に「ジスモンダ」のポスターで鮮烈なデビューを飾ってから、1904年に渡米しパリを離れるまでのたった10年間にミュシャが制作した作品にフォーカス。
時代の寵児となり、華々しい活躍を遂げたパリ時代の全盛期にミュシャが残した、美しいオリジナル版画の数々を展示・販売いたします。

少しづつ近づいてきた春に向けて、気分も高まるこの季節。
ミュシャが描いた色とりどりの草花たちも満開の春を心待ちにしているようです。

出品作品の一部をご紹介いたします。


「秋」(1896年 リトグラフ) 額:114×65cm 「秋(シルク刷り)」(1900年 リトグラフ) 額:98×58cm

「四季」(1897年 リトグラフ) 額:65×89cm

「カーネーション」(1899年 リトグラフ) 額:130×70cm 「絵画」(1898年 リトグラフ) 額:89×66cm

「四つの花」(1898年 リトグラフ) 額:67×89cm

ミュシャといえば高い人気を誇るのが、一日の時間や季節、花や宝石などの事象や事物を女性の姿になぞらえた連作。
これらの作品を発表した19世紀末当時からミュシャが描いた女性たちは人々の心を虜にし、カレンダーやインテリアなど多様な用途の作品が様々なサイズでヴァリエーション豊かに制作されました。
本展では「四季」と「四つの花」の他、「カーネーション」や「絵画」など人気連作シリーズから珠玉の逸品をご覧いただけます。

中でも最新入荷作の「秋」2点や「絵画」は吉祥寺店での初お披露目の作品。
特に、絹に刷られた1900年制作の「秋」は光沢のある質感で最高に美しい一点です。
是非、吉祥寺店にて直接ご覧になってみてください。

光沢のあるシルクの質感でまるで女神のような「秋」

 

「通り過ぎる風が若さを奪い去る」(1899年 リトグラフ) 額79×62cm
<参考作品>人類館のデザイン案

扇のような形が目を引く本作は、1900年パリ万国博覧会にあたりデザインされたもの。
万博開催の数年前、人類の理性、営為、英知を称える記念碑を創作したいとミュシャが構想を練った”人類館”の計画が始まりました。
しかし、案としてあげられたのは球体や曲線を多用した非現実的な建造物。
結局、建設にかかる莫大な費用は捻出できず、計画は中途で頓挫。
“人類館”は夢想の域を出ず実現を見ぬまま、ミュシャが考案したデザインの一部「通り過ぎる風が若さを奪いさる」が残されたのです。


「カッサン・フィス」(1897年 リトグラフ) 額72×45cm

1851年にトゥールーズに設立された印刷工房「カッサン・フィス」の宣伝ポスター。
中央に半裸で腰かける女性が、印刷所のプレス機を回す職人の男性を静かに見守っています。
18世紀後半に発明された石版画(リトグラフ)技法により、「印刷」技術はこの当時、近代文明を代表する産物の一つでした。
ミュシャはその繁栄を願い、業界を守護する女神を描いたのかもしれません。
男性を囲むように配置された目のモチーフは、書籍や新聞などの印刷物を享受した読者の象徴と言われています。 


ミュシャ作品の黄金期を一望できる、何とも贅沢かつ稀少な今月の企画展。

また、先月開催の「ミュシャ小品版画展」に出品の作品も店内にてご用意しております。
見応えのある大作から、親しみある小作品まで。
皆様を麗しきミュシャの世界へお連れいたします。
会期は今月30日まで。

当店所蔵のミュシャ作品一覧はこちら

(R・K)