6月「ルノワールと印象派の版画展」が始まりました


こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

今月の企画展「ルノワールと印象派の版画展」が、先週よりスタート。
国立新美術館で現在開催中の「ルノワール展」も展覧会入場者が最近10万人を達成されたそうで、ますますの盛り上がりを見せていますね。

パリの近代都市生活を謳歌する人々を見つめ、美と生命への賛歌を絵筆に託し続けたルノワール。
今月の展示では、印象派の巨匠ルノワールの作品を中心にマネやモネ、モリゾやゴーギャンなどルノワールと同時代に生きた画家たちの作品を一堂に展示します。

柔らかな線と色彩で私たちの心に穏やかに寄り添うルノワールと印象派の麗しき世界をどうぞお楽しみくださいませ。

「座る裸婦の習作」 「葡萄畑に立つ女」

「3つのスケッチ」

こちら(↑)3点は当時最も著名であった美術商アンブロワーズ・ヴォラールにより、
ルノワールが亡くなる同年(1919年)に出版された版画集に収録された作品。
1904年にルノワールが制作した作品を元に、ヴォラールが監修・制作したモノクロのリトグラフ12点が収められました。
死期を間近にした偉大なる印象派の巨匠への畏敬の念を込めて、長年の付き合いのあったヴォラールが出版した版画集かもしれません。

鮮やかな色彩が特徴的なルノワール作品の中では大変珍しい、色のない版画集ですが、
その分濃淡や陰影のタッチのみで温かみのあるルノワールの世界観を表現しています。


「ルノワールのオリジナル・リトグラフ12点」
Twelve Original Lithographs of Pierre-Auguste Renoir

出版元:アンブロワーズ・ヴォラール
技法:リトグラフ
出版年:1919年
部数:1000部


「桟敷席」

 

続いてこちらは、ルノワールが1874年に発表した油彩画「桟敷席」を元に、著名な銅版画家ジャック・ヴィヨン(ダダイスムの先駆者マルセル・デュシャンの兄)が限定200部で制作した銅版画。
ルーブルカルコグラフィーと呼ばれるルーブル美術館監修の銅版画作品の一つで、ルノワールの長男ピエールの直筆サイン入り。
ちなみに、この絵の男性モデルはルノワールの実弟エドモン、女性モデルは当時のルノワールのお気に入りであったニニ・ロペスと言われています。
額装と合わせ、非常に雰囲気のある一点です。 


 
こちらの3点は、版画集「ベルト・モリゾの書簡」(↓)から。
印象派の父マネのもとで画業を学んだ女流画家ベルト・モリゾ(1841-1895)が、生前、家族や親しい友人へ宛てて書いた挿絵付きの手紙の数々を、1950年に復刻した稀少な版画書簡集です。
マネやドガ、マラルメ、ルノワールらと交わした知的な手紙のやり取りとともに、モリゾや印象派の画家たちが残した水彩やスケッチの復刻リトグラフが収録されています。

「ベルト・モリゾの書簡」 The Correspondence of Berthe Morisot

出版元:ドニ・ルアール(ベルト・モリゾの孫)
技法:リトグラフ、フォトリトグラフ
出版年:1950年
部数:1250部

ルノワール作「猫を抱く少女」 モリゾ作「フェルシーの船着場」 ドガ作「椅子に座るマネの肖像」

この他、弊社が自社制作し、国公立美術館等のミュージアムショップにてこれまで販売してきた複製画も多数出品。
比較的お手頃な価格の作品も多数ご用意しております。

ルノワール複製画「ピアノを弾く娘たち」 モネ複製画「睡蓮」

会期中の皆様のお越しを心よりお待ちしております。(~6/30まで)

(R・K)