誇り高きロイヤルワラント(英国王室御用達)の証

ジョージ王子

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

先週世界中を駆け抜けた、思わず頬が緩む一枚の写真。
イギリス王室のウィリアム王子とキャサリン妃の長男ジョージ王子です。
保育園へ登園する初日の様子が公開されましたね。
今世界で一番有名な2歳児かも知れません。

一般に成人を迎えた英国王室の構成員にはそれぞれ王族侯爵位名が叙され、例えばチャールズ皇太子はウェールズ大公、ウィリアム王子はケンブリッジ公爵、またエリザベス女王の夫フィリップ殿下はエディンバラ公爵の位名を授かっています。
そしてこちらは各公爵位がそれぞれに持つ紋章。

エリザベス女王の紋章 エディンバラ公爵の紋章 ウェールズ大公の紋章 ケンブリッジ公爵の紋章
ロンドン最古のテーラー「イード&レヴェンスクロフト」の店先

 

これらの紋章は、イギリスの小商店やサービス店などの店先にしばしば見られるのですが、一体どんな意味があるのでしょうか。 

実はこの紋章を掲げているということは、”私たちは英国王室に、質の高い商品またはサービスを自信を持って供給しています”という堂々たる宣言。
その昔12世紀に、王室へ物品を納める御用商人へ渡した勅許状に端を発する”ロイヤルワラント”と呼ばれる名誉ある認可制度です。

厳しい申請条件や審査基準をくぐり抜けた企業のみに与えられ、一回の認可は5年間のみ。
5年ごとに見直しがあり品質の低下などがあればワラントは取り消されてしまうため、ワラント保持者は称号に甘んずることなく精進を続けなければなりません。
また、認可を与える権限を持つのは直系の王位継承者のみ。
現在は、
・エリザベス女王
・エディンバラ公フィリップ(女王の夫)
・ウェールズ大公チャールズ(皇太子)
の3名がこの権限を擁しています。
まだ認められていませんが、ゆくゆくはケンブリッジ公ウイリアムが次の資格者に加わります。

この認可制度を一任する機関である王室御用達協会によれば、
「王室への安定した商品やサービスの提供という歴史的事実に加え、人が自らの手を使いものを生みだす伝統的な”クラフツマンシップ”に重きを置く英国王室の姿勢」がワラントの認定基準に反映されているそうです。

陶工や絵付職人たちの熟練した技術によって生まれた美しい磁器も、歴代の王宮行事を華やかに彩ってきた英国が誇るクラフツマンシップの一つ。

これまでに王室御用達の認可を受けたのは、ロイヤルウースターやコールポート、ロイヤルドルトン、ロイヤルクラウンダービーなどイギリスを代表する最高級の磁器窯。

当店でもこれらを始めとする多くの作品をお取り扱いしております。
歴史ある認可制度の下生まれた磁器には職人たちのゆるぎない誇りと名誉が今もなお宿っているようです。

コールポート「デミタスカップ&ソーサー」各種

(R・K)