四季の移ろいを美しく表現する和菓子の芸術性

(丸山菓子舗HPより引用)

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

季節感を大事にする日本人にとって、四季や年中行事を彩る”和菓子”は日本人の心を体現する大切な文化の一つ。
繊細な細工や上品な食感で芸術性の高い和菓子は、まさに舌で味わうことのできる日本の四季ですよね。

和菓子自体は日本に古くからありましたが、その種類や製造方法が飛躍的に発展したのが江戸時代。
戦乱の世が終り、平和な時代を迎えたことで町人文化が栄え、意匠を凝らした美しい芸術的な和菓子が次々と誕生したのです。


江戸時代の和菓子の興隆を支えたもの。
それが「木型」です。

木型が登場したことにより手作業で一つ一つ成型していた和菓子が効率的に量産できるようになり、また表現の幅や種類も格段に広がりました。
ちなみに、この時代に流行したもう一つの町人文化が浮世絵。
いわゆる木型「版木」を元に制作するという点では、和菓子と浮世絵は似たジャンルの芸術、と言えるかもしれませんね。



和菓子の繊細な見栄えを左右する最も重要な木型ですが、木型を制作できる熟練職人は年々減少し、現在では国内で数人ほど。

そこで、石川県の金沢市の和菓子屋”森八”では、和菓子作りの根幹を担うこの木型を、継承すべき重要な伝統工芸と捉え、所有する菓子木型など千数百点を展示する美術館を開設。
和菓子とともに、日本の伝統芸術としての菓子木型の魅力を伝えているそうです。


さて、七夕の本日。
こちらは京菓子の老舗店”甘春堂”の羊羹「天の川」。
幾層にも重なる青色が透き通るように美しいですよね。
皆様の願い事が天に届きますように。


(R・K)

芸術の話

Posted by blanca