芸術家は猫派?「美女」×「猫」作品の不思議


こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

皆様は、犬派ですか?それとも猫派?
美術館を訪れたりギャラリーで多種多様な絵画作品に触れ合っていると、犬よりも猫を描いた作品の豊富さに気付かされます。

自由奔放でマイペース。
甘えてすり寄ってくることもあればツンとすましてどこかへ出かけてしまいどこか捉えどころのない猫は、画家の心を虜にする美しい女性モデルと共に芸術家にインスピレーションを与える存在として多く描かれてきました。

さらに、美女と猫を一緒に描いた「猫を慈しむように抱く美しい女性」という主題はざっと挙げただけでもこんなに。
先日の「美の巨人たち」でも北斎の作品が取り上げられていましたね。

(左より)
ルノワール「猫を抱く女性」
藤田嗣治「眠る猫と婦人」
竹久夢二「黒船屋」
ピカソ「女と猫」
葛飾北斎「美人愛猫図」

女性や猫の表現はそれぞれ特徴が違いますが、画面を支配するのはどこか倦怠感が漂うアンニュイな雰囲気。
女性は誰にも言えない秘密を猫にだけそっと打ち明けていて、そして、私たちはその瞬間をこっそり見てしまった・・・
何だかそんな神秘ささえもあるように感じます。

神聖ローマ皇帝カール5世の肖像画

 

 

ではその逆に、犬を描いた作品はどうでしょう。
従順で献身的、忠誠心の強い犬は、特に、国王の肖像画や宮廷絵画に度々描かれてきました。
こうした作品は絶対王政の時代においては、王権の強大さを国民に示すプロパガンダとしての役目があったのでしょう。


ところで、芸術家には断然猫派が多いようにも感じますが、「猫」を描く画家と「犬」を描く画家の違いはあるのでしょうか。
かなり独断的な意見としては、自我や個性が強く恋愛遍歴も華やかだった芸術家(ピカソ、藤田、ダリ、バルテュス etc)は比較的愛猫家が多く、わりと控えめに派手な女性関係もなく人生を送った芸術家(イカールやマグリット etc)には犬好きの傾向が強い気がします。

作品に登場する動物で、芸術家の心理を読み解くのも面白いかもしれませんね!

(R・K)