【吉祥寺店】10月「マルク・シャガール版画展」開催中!

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東京駅構内にある美術館「東京ステーションギャラリー」では、20世紀の巨匠画家マルク・シャガールが手がけた作品の中から、”彫刻”作品にフォーカスする初めての企画展「シャガール 三次元の世界」を現在開催中。

シャガールといえば絵画や版画などの平面作品で最も知られる芸術家ですが、彫刻作品の他、ステンドグラスやモザイク壁画などの傑作も残しています。
>シャガールによるランス大聖堂のステンドグラスについて

ランス大聖堂のステンドグラス シカゴのモザイク壁画

生前に手がけた版画の数は1000種類以上に及び、97歳で亡くなる数時間前まで仕事をしていたといいますから、シャガールの創作意欲の高さには心から畏敬の念を抱かざるを得ません。

今月のギャルリー・アルマナック吉祥寺では、この偉大なる画家マルク・シャガールを特集。
シャガール直筆のサイン入り版画を含む約40点を展示いたします。
出品作品の一部をご紹介しましょう。


シャガール「四季」(1974年 リトグラフ Ed.5000)

本作は、前述したシカゴのモザイク壁画が完成した際に、そのお披露目の除幕式開催の告知として制作されたリトグラフポスター。
壁画には250種類以上の色ガラスが数千ピースはめ込まれ、季節の訪れ<四季>を祝福する様子が描かれました。
当時シカゴでは、公共空間へ芸術作品を設置する運動が積極的に推進されています。
シャガールは知己を得たシカゴ市長の情熱と友情に応えて、後年この地のためにステンドグラス(シカゴ美術館所蔵)制作にも携わっています。


シャガール「燭台」(1962年 リトグラフ) シャガール「扉絵」(1962年 リトグラフ)

イスラエルのエルサレムに残るシャガールのステンドグラスも、圧巻の作品。
ユダヤ教の会堂シナゴーグのために捧げた12点の作品は、イスラエル建国にまつわる旧約聖書の12人が主人公になっています。
こちらの2点は、その完成を祝して出版された書籍のために、シャガールが描き下ろしたオリジナルのデザイン。
燭台や十戒が描かれた石板など、ユダヤ教を象徴する事物が描かれており、敬虔なユダヤ教徒であったシャガールの一際強い思い入れがうかがえます。

詳しくはこちら
>マルク・シャガール『エルサレム・ウインドウ』のご紹介


 

シャガール「花を手にしたピエロ」(1963年 リトグラフ)
シャガール「サーカス」(1960年 リトグラフ)
シャガール「サーカス」(1978年 リトグラフ 直筆サイン入り E.A.)

また、シャガール作品に忘れてならないのは、サーカスや道化師、曲芸師を主題にしたもの。
子どもの頃に地元の祭りで見たサーカスの思い出や、パリで世話になった画商ヴォラールによくサーカスに連れていかれたこと。
また、シャガールが信仰したユダヤ教の一派ハシディスム派の神秘的な歌や踊りへの習慣が深く影響していると言われています。
サーカスを”現れては消えていく夢のような現実”と語り、ふわふわと宙に浮かぶ人や動物たちを描いたシャガール。
サーカスはその世界観をパーフェクトに映す格好の題材だったことでしょう。
本展では、サーカスを主題にした作品も数多く出品しております。



また、シャガール展と併せて、来月特集予定のユトリロ作品も出品。
20世紀パリのエスプリを体感できるまたとない企画展です。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
会期は10/31(火)まで。

(R・K)