5月は「マグリット版画展」を開催予定です


こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

春の訪れを告げる桜のシーズンもそろそろ終わり、今度は爽やかな青空が広がる新緑の季節が近づいてきました。
来週から始まるゴールデンウィークは青い空の下、思い切りレジャーや旅行を楽しめる日が続くといいですね!

さて、「青い空」と言えば思い出される不思議な画家、ルネ・マグリット(1898-1967)。
一つ一つのモティーフは極めて日常性に富みながら、現実の論理を超えた幻想世界を描き出した20世紀シュルレアリスム(超現実主義)を代表する芸術家です。
現在国立新美術館では、実に13年ぶりとなる大規模な回顧展が開催中。


マグリット財団より公認されたマグリット版画販売の日本総代理店である弊社では、今回、美術館ミュージアムショップで稀少なリトグラフ版画を販売しております。

それに合わせて当店の来月の企画展は、「マグリット版画展」を開催予定!
すでに美術館では売切となった作品を含めたリトグラフ約60点を特別展示販売。
出品作品は財団監修の元制作された限定版リトグラフなど、日本国内では入手困難なものばかりです。

では、マグリット作品の特徴は何でしょう。
それは1920年代、フロイトの発表した精神分析論の強い影響下に起こった芸術運動「シュルレアリスム」と強い結びつきがあります。
”無意識”や”夢”、”深層心理”の世界を追究するこの運動は、絵画や映画、文学、詩、写真などジャンルを超えて幅広く展開。
絵画の分野ではマグリットの他にダリやエルンスト、ミロらが、超現実的世界を描くシュルレアリスム画家として挙げられます。

そうしたシュルレアリストたちの中で、マグリットの個性の一つは「デペイズマン」と呼ばれる表現技法。
フランス語でDépaysement=居心地の悪さ、違和感を意味するこの言葉は、マグリットや彼がシュルレアリスムに傾倒する契機となったジョルジュ・デ・キリコの作品を読み解くうえで重要なキーワード。
本来共にあるはずがないもの同士を組み合わせたり、サイズを変えたり、時間を逆にすることで観る者を困惑させるのです。

例えば、空に大きな球が浮かんでいたり、
りんごが部屋一杯の大きさで置かれていたり、
昼と夜が同居していたり。

面白いのが、マグリットが描くモチーフ自体は生活にありふれた事物であるという点。
だからこそ、ひとたびそうした日常が「非日常化」すると、
心がザワザワするような不思議な心理を私たちにもたらすのかもしれません。
そうしたマグリットの魅力を一層引き立てている哲学的なタイトルと合わせて、じっくりどっぷり鑑賞したいですね。

連休は吉祥寺のアートスポットで、この摩訶不思議なマグリットの哲学に触れてみてはいかがですか?
企画展は5/2より5/31まで開催予定です。

(R・K)