6月は「ルノワールと印象派の版画展」を開催予定です


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“à Jean Renoir et très respectueusement à la memoir de son père.
Forcalquier Novembre 1952, Raoul Dufy”
(ジャン・ルノワールと、尊敬してやまない彼の父親の記憶へ向けて
フォルカルキエにて 1952年11月 ラウル・デュフィ)

デュフィ「ルノワールに捧ぐ」

 

これは、画家ラウル・デュフィが、親交のあった映画監督ジャン・ルノワールとその父ピエール=オーギュスト・ルノワールへの賛美を込めて送った言葉。 

生涯、「生の喜び」をテーマに描いたデュフィは、色彩と幸福感に包まれた作品を生み出した印象派の巨匠ルノワールに特別な思いを抱いていたことでしょう。

流れるような筆致の文章の下には、ルノワールの代表作の一つ「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」にオマージュを捧げたデュフィの挿絵が添えられています。
19世紀末から20世紀初頭、産業革命の影響により国民の生活環境は少しづつ改善され、オペラ座やエッフェル塔などが建造されるなどパリの街並みは大変化しました。
大衆的ダンスホール「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」も、そんな活気に満ちた当時の文化を象徴する建造物の一つ。
近代的な都市生活を謳歌するブルジョワ市民が繰り出した娯楽場でした。
生涯、近代生活の中にある人々を見つめたルノワールにとって、多くの人々が集う華やかなダンスホールは格好の題材だったことでしょう。
同じ印象派の画家で友人のクロード・モネが風景にこだわったのに対し、ルノワールは自身を”人物画家”であると自負していました。


現在、六本木の国立新美術館で開催中の「ルノワール展」では
前述した「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」も出品されています。
これだけ知名度の高い作品ながら、何と初来日だそうで、テレビやマスコミでも連日大きく話題に上っていますね。
美術展ではこの最高傑作の他、ルノワールの初期から晩年にわたる約100作品を網羅されており、
なかでも珍しい出品作が、ルノワールの残したデッサンの数々。
ルノワールは、1881年のイタリア旅行でラファエロやポンペイの壁画に魅了されてから、”デッサン”の重要性を強く認識したと言われ、
こうした素描は、後世の私たちにとってルノワール芸術の制作過程を解明する重要な材料ともいえます。

さて来月のギャルリー・アルマナック吉祥寺では、この国立新美術館で行われているルノワール展に合わせ、
「ルノワールと印象派の版画展」を堂々開催!

 

 

「花飾りのついた帽子」 「水浴する女」 「座る裸婦」

まるでルノワールの素描を思い起こさせるようなこれら(↑)の美しいオリジナル版画作品をはじめ、
モネやマネ、セザンヌ、ゴーギャンなどルノワール周辺画家の作品も合わせて出品予定。
6/2(木)から始まる来月の企画展をどうぞお見逃しなく!
当店取扱のルノワール作品はこちら

(R・K)