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アルフォンス・ミュシャ　「ジスモンダ」

GISMONDA

『ポスターの巨匠』 "Les Maîtres de l'Affiche"

技法	：リトグラフ

制作年	：1896年

サイズ	：33×11 cm（画）/ 66×44 cm（額）

レゾネNo.	：MP-27

状態	：良好

備考	：1895年に初演された舞台《ジスモンダ》の広告塔および劇場用大判ポスターを、その3年後の1898年に刊行されたコレクター向け版画作品集『Les Maîtres de l'Affiche（ポスターの巨匠）』のために縮小サイズで制作したオリジナル・リトグラフ作品

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作品解説

1895年に初演された舞台《ジスモンダ》の広告塔および劇場用大判ポスターを、その3年後の1896年に刊行されたコレクター向け版画作品集『Les Maîtres de l'Affiche（ポスターの巨匠）』のために縮小サイズで制作したオリジナル・リトグラフ作品。

ミュシャの出世作として名高い1895年のポスター『ジスモンダ』は女優サラ・ベルナールから偶然依頼された作品でしたが、サラはその出来栄えに非常に満足し、ミュシャと５年間の契約を結びました。ポスター制作だけでなく、衣装や舞台美術などにも関わったミュシャは、サラ・ベルナールから絶大な信頼を置かれ、次の演目について相談を受けることもありました。サラ・ベルナールの舞台のために『ロレンザッチオ』『サマリアの女』『メディア』『トスカ』『ハムレット』といった傑作ポスターが次々と生み出されました。当時からその人気は高く、街に貼られたものは、盗まれることも多かったといいます。

『ジスモンダ』のポスターは、街に貼られると同時にパリジャンの間で大人気となりました。柔らかな色調で表現された、繊細で崇高な女性像は、サラ・ベルナールもとても気に入り、即座にミュシャと５年の契約を結んでいます。この仕事をきっかけに、ミュシャの元には様々な仕事の依頼が殺到するようになりました。
ミュシャはサラに対し深い恩義を抱き続け、挿画本『トリポリの姫君イルゼ』を次のような言葉と共に彼女に捧げています。
「素晴らしいスター、サラ・ベルナールへ　心からの敬意を。」

『ポスターの巨匠』　Les Maîtres de l'Affiche

制作年　： 1895-1900年

制作工房：シェ工房

技　法　：リトグラフ

制作部数：不明

備　考　：全ての作品の画面下部余白部分にシェ工房のエンボス刻印が押印されている

当時、制作が活発に行われるようになっていたポスターは芸術性の高さが広く認められるようになっていました。

『Les Maîtres de l'Affiche（ポスターの巨匠）』は、パリの街中を彩った巨大な広告塔ポスターを縮小サイズで制作し、コレクター向けにまとめたオリジナル・リトグラフ作品集です。

ポスター画家、ジュール・シェレがアート・ディレクターを務めるリトグラフ工房シェにより、毎月4点のポスターが選ばれ、1895年12月から1900年11月までの60か月間にわたり、掲載する作品が制作されました。

本版画集には縮小作品だけでなく、年数回はシェレやその他の画家によるオリジナル・リトグラフも特別に収録。

総数256点に及ぶ収録作品にはミュシャの７作品（「ジスモンダ」「サロン・デ・サン」「ロレンザッチオ」「椿姫」「サマリアの女」「ムーズ・ビール」「ジョブ」）やロートレック、スタンラン、ボナールなど後世にもその名を残す傑作も数多く含まれており、ポスター芸術を語る上で最も重要な作品集と評価されています。

※広告塔"Colonne Morris"

広告ポスターを掲示する柱「コロンモリス」。1800年代半ばに設置されて以来、劇場公演や映画、新製品発売など様々な目的の広告に利用されている。ミュシャの初期のポスターもこの広告塔に掲示されていた。縦長のデザインが多いのはそのためである。

略歴

アルフォンス・ミュシャ　Alphonse MUCHA （1860-1939）

アール・ヌーヴォー様式が流行していたパリの世紀末を代表する画家。ポスター、装飾パネルを始め、挿画本、美術誌表紙、販促物などのために数々の優美な女性像を制作した。装飾デザインにも優れた才能を発揮。アール・ヌーヴォー期の寵児として活躍後、チェコに戻り、自身のルーツであるスラヴ民族の歴史を「スラヴ叙事詩」に描き上げた。