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パリのムルロ工房にて制作されたオリジナル・リトグラフ。デュフィは透明な花瓶に挿したアネモネの束を、淡い洗い(ウォッシュ)と即興的な輪郭線で捉えています。水彩の軽やかさを石版に移し替え、デュフィの持ち味である色面と線描の伸びやかさがそのまま再現されました。デュフィにとって花は色の調和・対比・リズムを試す格好の題材で、本作のアネモネでも、寒色と暖色、面と線の軽快な交錯が核となっています。 ※ムルロ工房 Atelier Mourlot 1852年にモンパルナスで創業したバタイユ版画工房を、1914年にジュール・ムルロが継承して改称。二代目フェルナンのもとで隆盛し、名刷り師シャルル・ソルリエらを輩出。オリジナル版画から挿画本、リトポスター、複製版画まで幅広く手がけ、ピカソ、ブラック、マティス、デュフィ、ミロ、レジェほか20世紀を代表する作家の制作を支えた。
フランスのノルマンディー地方の港町ル・アーヴルに生まれる。市の奨学金を受け、パリの国立美術学校へ。マティスの色彩に衝撃を受けフォーヴィズムに傾倒。1910年、アポリネールの『動物詩集』の木版挿画を制作。1911年、服飾デザイナー、ポール・ポワレと知り合い、織物のデザインを開始。1912年、高級織物会社ビアンキーニ・フェリエ社と契約し、テキスタイル部門のアートディレクターに。1928年、ドーヴィルで競馬やレガッタのシリーズに着手。1937年、パリ万博の為の壁画「電気の精」を制作。1940年、ドイツ軍のパリ占領後、南仏へ避難。1953年、死去。 デュフィは透明感のある色彩と軽やかな筆触で音楽、海、馬、花々…など様々なモチーフを描いた。また、本の挿絵、舞台美術、テキスタイルデザイン、タペストリー、陶器など多数のジャンルで傑作を残している。