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ラリック芸術の最高傑作のひとつとされる本作は旧約聖書ダニエル書に登場する美女がモチーフとされます。スザンヌはヘブライ語で「ユリの花」を意味し、ラリックは優美で気品あるユリの花を好んでおり、度々ジュエリーのモチーフにもなっています。ラリックの作品に登場する美しきミューズたちの創造の源となったのは愛妻のアリスでした。しかし女神というべきアリスを病で失うと、彼を仕事の面においても献身的に支えたのは、まだ17歳の愛娘スザンヌでした。ラリックの孫娘の証言からすれば、本作はラリックの愛娘スザンヌがモデルとなっていると言います。 同年に制作された「タイース Thaïs」(下記参考画像参照)は本作の別ヴァージョンで、アナトール・フランスの小説『舞姫タイス』に登場するアレキサンドリアの遊女タイスがモチーフとされます。
<参考画像>
ルネ・ラリックは19世紀末から20世紀半ばにかけて、アールヌーヴォーのジュエリー制作者、アールデコのガラス工芸家として、二つの時代および創作分野で頂点をきわめた人物として知られる。1900年のパリ万国博覧会に出品されたラリックの宝飾作品は、工芸の価値を、絵画や彫刻などの純粋美術と同じレベルにまで高めるとともに、生活に新たな美意識をもたらすものと評された。