チェコの名窯ロイヤル・ダックス

ブログをお読みいただきありがとうございます。

今月の吉祥寺店では「ミュシャとアール・ヌーヴォー展」を開催しております。
19世紀末のパリでミュシャ自身が手掛けた希少なグラフィック作品を多数ご覧いただけます。

とりわけご注目いただきたいのが水彩原画。
舞台『遠国の姫君』のための舞台衣装のデザイン画など、大変希少な肉筆画が揃いました。

 

また、ミュシャの祖国チェコの名窯、ロイヤル・ダックスの陶磁器もご紹介中。

優れた造形作家でもあったエドゥアルド・アイヒラー(1830-1887)が買い取った小さな工房からスタートしたロイヤル・ダックス。
1853年に創業してから現在に至るまで、芸術性の高い陶磁器を生み出しています。
万国博覧会での受賞歴も輝かしく、1878年パリで銀賞、1904年セント・ルイスでグランプリ、1906年ミラノで銀賞を獲得。

なかでも、類稀なアーティスト、アロイス・ハンペル(1853-1924)を擁したアール・ヌーヴォー期の作品群はため息のでるような美しさです。

 

この時代のロイヤル・ダックスの窯印はピンクの三角形。
三角形の中のドングリは創業者の名、アイヒラー(Eichler ← Eichel = ドングリの意)に因んで。
“E”もEichlerの頭文字からだそう。
のちにこの英文字は工場のある地名、Duxの”D”やMostの”M”に代わります。

流れるような曲線で、植物を表現したこれらの作品にはそこに生命が宿っているように感じますね。
本格的な機械生産の時代が始まる前夜の丁寧な手技の数々。
ぜひ当ギャラリーでおたしかめください。

 

ブロンズ製シーリングスタンプ

シーリングスタンプなど当時の日用品もフランスより入荷いたしました。
本年の営業は12月29日まで。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(K・T)