エミール・ガレのファイアンス

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

お盆休みはいかがお過ごしでしょうか?
大型台風が近付いてきていますので、お出かけの際は十分にお気を付けください。

 

Wikimedia Commonsより引用

エミール・ガレと言えばどなたでもガラス工芸作品を連想されると思いますが、“ファイアンス”と呼ばれる軟質施釉陶器でも多数の傑作を残しています。

ガレの父、シャルルはガラス器だけでなく陶器の製作もしていました。
その流れでガレ自身も陶器作品を手掛けるようになり、1878年のパリ万博、1884年のパリ装飾美術展、1889年のパリ万博などで革新的な作品を発表。
胎土や釉薬の改良を重ね、独創的な装飾が施された作品群は、当時高く評価されます。

磁器の生産が多くなっていた19世紀のヨーロッパでは、普段使いではない特別な一品としてファイアンスが作られていました。
弊社でも数点お取り扱いがございます。
(画面下部リンクをクリックいただくと詳細ページへ)


「パンジー文蓋物」の蓋には ” PLUS PENSER QUE DIRE “「よく考えてからものを言え」と書かれています。
これは、フランス北部の町バル=ル=デュックの紋章に刻まれている町の座右の銘であり、中世フランスの詩人シャルル・ドルレアンの詩の一節でもあります。

この作品のように文言を記された陶器は「アレゴリー」(寓話)と呼ばれ、単なる装飾模様を超えた哲学的な思想が込められていると言われます。
こうしたガレの思想はガラス工芸にも引き継がれ、詩の一節やことわざなどが刻まれた「もの言うガラス」が生み出されます。
文章は不要だとする批評家も現れましたが、ガレは信念を持って文字入りの作品を作り続けました。

 

また、とてもユニークな作品群として動物をかたどったシリーズがあります。
これらの置物は同じ型を用いて、多数のヴァリエーションが制作されました。
特に犬と猫は人気を博し、暖炉のまわりのマントルピースなどに置かれ、目を愉しませてくれる存在でした。

ユーモラスな表情と佇まいがとても魅力的。
ワンちゃんが被っている “Catogan Wig” と呼ばれるかつらは現在でもイギリスの法廷で裁判官や弁護士が身につけるものだそう。
正装してお利口さんにおすわりしている姿に思わず微笑んでしまいます。
(これら2匹は、お披露目と同時に飼い主が見つかりました!)

100年以上前のガレ作品が古びることなく、現代の私たちにとっても新しい発見と想像をもたらしてくれることに驚きを禁じえません。

弊社取り扱いのエミール・ガレ作品はこちらからどうぞ

ただいま軽井沢店吉祥寺店ともに「夏のバザール」開催中につき、お求めやすい価格となっています。
この機会をぜひご利用くださいませ。

(K・T)