WMF「アールヌーヴォー花瓶」のご紹介

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19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスを中心にヨーロッパ各国を席巻したアール・ヌーヴォー様式。
フランス語圏での呼称、アール・ヌーヴォー(Art nouveau)は “新しい芸術” の意味ですが、国によって少々異なります。

スペイン:モデルニスモ(Modernismo)=”モダニズム”
イタリア:スティレ・リベルティ(Stile Liberty)=”リバティ様式” ← ロンドンのリバティ百貨店がアールヌーヴォー様式の商品を扱っていたことに由来。
ドイツ語圏:ユーゲントシュティール(Jugendstil)=”若い様式 / 青春様式”

有機的で生命力の宿ったデザインと言われ、抽象化した曲線を多用するオルタ、ギマールから、ガレ、ドームのような自然主義派まで幅広い個性を内包していました。

もうひとつ特筆したいのが女性をモチーフにしたこと。
例えば、当時絶賛されたダンサーのロイ・フラー(1862-1928)は多くの作家にインスピレーションを与えました。

彼女のダンスは大きなシルクの衣装をはためかせ、電気照明を投射するという斬新な演出でした。
この流線性が極めてアール・ヌーヴォー的であったことは明白ですね。
ミュシャの描く女性像も少なからぬ影響を受けたのではないかと言われています。

 

さて、本日ご紹介する花瓶は1853年創業の老舗、ドイツのWMF(ヴェーエムエフ)のもの。
WMFは実用性とデザイン性の優れた製品を生み出し続け、現在も世界的なメーカーとして君臨しています。

WMF アールヌーヴォー花瓶

ユーゲントシュティール期の同社は積極的に流行のデザインを取り入れ、人気を博しました。
ロイ・フラーなどの個人を超越した普遍的な美の象徴としての女性を主題とした作品が多数作られました。

WMF アールヌーヴォー花瓶本作では、横で跪き手を差し出す少年の存在が女性をさらに神々しくさせています。
全体を引き締める最下部の美しい曲線、植物の描写も見事。
100年以上前に世界を熱狂させた “若い様式” の曲線、植物、女性をすべて兼ね揃えた逸品です。

ぜひ、ギャルリー・アルマナック吉祥寺で実物をご覧くださいませ。

作品ページはこちらからどうぞ。

 

弊社ではミュシャガレドーム、その他のアール・ヌーヴォー期作品を多数取り扱っております。
ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください!

(K・T)