【吉祥寺店】マリー・ローランサン版画展 [併催] 藤田嗣治・子どもと猫の絵画展

企画展概要

ギャルリー・アルマナック吉祥寺  2018/9/1(土)~9/30(日) open 11:00~19:00 無休
(「藤田嗣治・子どもと猫の絵画展」は ~10/10(水)まで)

9月のギャルリー・アルマナック吉祥寺では、フランスの女流画家マリー・ローランサンを大特集!
ローランサンが制作した300点にも及ぶ貴重なオリジナル版画の中から、選りすぐりの人気作品を一挙展示・販売いたします。

マリー・ローランサン 舞踏会

 

フェミニテ(Féminité=女性なるもの)の世界

マリー・ローランサンを決定的に不滅ならしめるもの。それは、‟女性”というテーマを、情愛や共感を込めて描き切ったことに尽きるでしょう。

パリで私生児として生まれた彼女は父親を知らずに育ち、母親との閉鎖的な暮らしの中で男性的なものが排除された生活を送りました。のちに絵画学校に通い、キュビスムやフォービスムに傾倒し芸術仲間の男性たちと交流を深める中で、詩人アポリネールと出会い運命的な恋に落ちますが、その恋も破たんしてしまいます。

その後結婚、離婚を経験し、ますます乙女の世界へと没頭していくローランサン。
その芸術は、いくつかの明確なテーマに忠実なのがはっきりと見て取れます。たとえば、ギター結んだリボンなど。
これらの装飾的要素が、ローランサン作品の中で繰り返し描かれています。

「ディナ」
「ディナ」カラーエッチング 1944年制作

「雉鳩」
「雉鳩」カラーエッチング 1944制年

「美女」
「美女」リトグラフ 1956年制作

彼女の描く、いつもどこか遠い世界を夢見ているような乙女たち。
女性だけで完結する世界で自由に音楽やお洒落を楽しみ、小動物を慈しんでいます。
極めて洗練された色彩と絵の具に滲む情感が、観る者を愛と官能の世界に誘(いざな)います。

ローランサンはまた、ただ可愛らしい少女たちを描くだけの画家ではありませんでした。

「ローランサンは、ただ単に愛らしい少女の画家だけではなかった。ピカソやアポリネールと親しかった彼女は、第一次大戦直前の時期において最も「前衛的」な芸術運動であったキュビスムのグループに加わっていたし、他方では、両大戦間、特に1930年代では、パリの社交界の中心の一人でもあった。当然、彼女の作品もさまざまな側面を持っている」
(高階秀爾、画集「マリー・ローランサン」裏表紙文抜粋)

彼女の革新的な絵画スタイルはエコール・ド・パリの芸術仲間の中でも一際異彩を放ち、絵画的技術に関する探求心は人一倍持っていました。
その一つに、版画(リトグラフ、エッチング)への情熱があります。
マリー・ローランサンの版画作品は、彼女の生涯のおよそ50年に渡って制作されたもので、実に300点に上ります。
この数は、エコール・ド・パリの他の画家たち―ピカソ、マティス、ボナール、ルオーなど、偉大な版画作家たちの間に位置付けるものです。

ローランサン 歌
「歌」リトグラフ 1945年

本展では、ローランサンのサイン入りオリジナル版画を中心に、『不思議の国のアリス』『椿姫』『フィネットの冒険』など挿画本の人気作を展示・販売いたします。吉祥寺にお出かけのご予定の方は是非、ローランサンの“永遠の少女”に逢いに、ギャルリー・アルマナックにお立ち寄りくださいませ。

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【併催】藤田嗣治・子どもと猫の絵画展(8/1~10/10 開催)

ギャルリー・アルマナック吉祥寺では、藤田嗣治 没後50年を記念して「藤田嗣治・子どもと猫の絵画展」を開催中です。
画家没後、アトリエに遺された水彩、素描、版画、油彩の秀作、いわゆる《君代夫人コレクション》を中心に訳100点の稀少作品を特別展示・販売致します。

「私には小供がない。私の画の小供が私の息子なり娘なりで一番愛したい小供だ」

「金貨」  「ワイン」  「ランジェリー」

フランス移住後、主なテーマのひとつとなった”子ども”の絵。藤田の描く子どもはみな額が広く目が吊り気味で、よく似た顔立ちをしています。この子どもたちには実際のモデルは存在せず、ただ藤田の心の中から生まれた愛すべき”わが子”たちでした。
挿画本『小さな職人たち』や『四十雀』には、ごっこ遊びをするように労働する子どもたちの姿がユーモラスに描かれています。これらの連作には、フランスの街と暮らしを支える職人たちへの、藤田らしい愛情が込められています。
 

「盛り場から夜遅くパリの石だたみを歩いての帰りみち、フト足にからみつくがあって、不憫に思って家に連れて来て飼ったのが1匹から2匹、2匹から3匹となり…」


藤田はその創作活動の初期から晩年に至るまで猫を描き続けた画家。
この猫たちは、時に同じポーズや表情を見せながら、時代や場面を超えてたびたび複数の作品に現れます。
藤田が猫の作品を多く残したのは、単に猫が好きだったからだけではありません。渡仏から間もない1910年代。貧困のため絵のモデルを雇えなかった代わりに、よく道端で拾った猫をモデルに絵を描き続けていたといいます。
晩年まで藤田が猫を飽きずに描き続けた理由の一つは、そんな困窮した生活の中で、時にモデルになってくれ、時に温もりを分かち合った藤田から猫への恩返しの意味もあったのかもしれませんね。

>>アトリエ・ブランカ所蔵 藤田嗣治作品 全在庫はこちら

展示風景

藤田嗣治・子どもと猫の絵画展

藤田嗣治・子どもと猫の絵画展


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お問い合わせ
・TEL 0422-27-1915 (ギャルリー・アルマナック 吉祥寺)

ギャルリー・アルマナック 吉祥寺
営業時間:11:00~19:00 会期中無休
住  所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-18-15 アクセス

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