【軽井沢店】「モーリス・ユトリロ展」好評開催中!
こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。
三連休は気持ちの良い天気となりましたね。
今月の軽井沢店では情緒豊かな風景画で人気のモーリス・ユトリロの特集展示を行っております。
パリに滞在するならば、必ず一度は訪れるモンマルトルの丘。
サクレ・クール寺院を目指して階段通りをのぼっていくのはパリ散策の醍醐味でもありますね。
2001年に公開された映画「アメリ」の舞台もモンマルトルでした!
疲れた足腰を休めるためにこの界隈のカフェで、アメリも大好きなクレーム・ブリュレでコーヒーブレイクするのもいいですね。
モンマルトル Montmartre の地名は Mont des Martyrs (=殉教者の丘) が由来だそうです。
紀元250年頃、パリ最初の司教である聖ドニが斬首刑にされた場所が現在のモンマルトル。
聖ドニは斬り落とされた首を自ら拾い(!)説教をしながら北の方へ歩いていき、最終的に息絶えた地がサン=ドニ(聖ドニ)と呼ばれるようになったと伝えられています。
(地図で確かめてみるとモンマルトルからサン=ドニまでは約10km。頭部を抱えて歩いている姿を想像してしまいました…)
オスマンのパリ大改造後、ワイン作りも行われていたモンマルトルでは居酒屋やダンスホール、キャバレーなどが立ち並ぶようになります。
当時家賃が安かったこの地に芸術家が集まってくるのは19世紀末頃から。
モンマルトルの華やかな歓楽街に魅せられ、画家、詩人、作家、音楽家たちが集まりました。
ドガ、ルノワール、ゴッホ、スタンラン、ロートレック、ピカソ…
ピカソが住んだ安アパルトマン “洗濯船 Le Bateau-Levoir” にはマティスやモディリアーニ、デュフィらも出入りしました。
画家たちを惹き付けたモンマルトルの魅力は、彼らの作品を目の前にするとき雄弁に私たちに語り掛けてきます。
けれども、ユトリロが主題に選んだのはきらびやかな夜の世界ではありませんでした。
自分の生地を心から愛していたユトリロは、人通りの少ない裏道など、素のままのモンマルトルを生涯を通して描き続けました。
晩年に発表された版画集にはモンマルトルの情景が多数収録されました。
以前のブログでも詳しくご紹介しております。
>ユトリロ版画集『モンマルトル・ヴェキュ』『霊感の村』『モーリス・ユトリロ・Ⅴ』のご紹介
今回の展示はこれらの挿画本からの作品を中心にご覧いただけます。
『モンマルトル・ヴェキュ』からの1点「モンマルトルのミミ・パンソンの家」は、今の季節にふさわしい色遣いで、気が付くと通行人の一人として絵画の世界に入り込んでしまいます。
右手前の低いミミ・パンソンの家とその奥のベルリオーズの家は取り壊され、現在は大きなアパルトマンが建っているそう。
同じモン・スニ通りを描いた「サクレ=クールのカトリック聖心会館」は100部限定のサイン入りリトグラフ。
白を基調とした静謐な画面からは不思議なノスタルジアを感じます。
孤高の画家、ユトリロの魂が眠る街モンマルトルへ時空を超えた小旅行を楽しんでみてはいかかでしょうか。
「モーリス・ユトリロ展」は今月いっぱい開催いたします。
また、ご好評いただいております藤田嗣治常設展示も継続しております。
紅葉狩りにもベストシーズンの軽井沢。
Twitterでもお知らせしましたように、季節はずれの朝顔と一緒に皆様のお越しをお待ちしております!
(K・T)