【9月企画展】ギャルリー・アルマナック吉祥寺「音楽を描いた画家たち展」開催中!

お待たせいたしました。
今月の企画展が先週よりスタート。
盛夏にぴったりの涼しげな先月の展示「水辺の風景画展」から一転、ほのかに秋の香りが漂うような作品たちが、今月の店内を美しく彩っています。

出品作品の一部をご紹介しましょう。


デュフィ チュクソンのコンサート
デュフィ「チュクソンのコンサート」(1963年 リトグラフ)

つばの広いソンブレロと呼ばれる帽子をかぶった男たちが、それぞれの楽器を奏で一つのハーモニーを作る様子が描かれた本作。
病気治癒のため1950年から52年にかけてアメリカを訪れた作者デュフィは、ニューヨークやシカゴなど各都市で巡回展を開催しながら、その途中、メキシコ文化が色濃く残る南部アリゾナ州の町チュクソンに滞在しました。
ここで出会ったメキシコ音楽隊の力強い演奏は、デュフィに生きる活力を与えたことでしょう。
今にも楽員たちが動き出し、陽気な音楽が聞こえてきそうです。
1963年に限定305部で出版された版画集『天使のコンサート』に収録の一枚。


イカール メロディーアワー
イカール「メロディーアワー」(1934年 エッチング)

「動」きに満ち溢れたデュフィの作品とは打って変わり、儚げにも感じるほどの「静」かな美の旋律を称えた本作は、妖艶で蠱惑的な女性像で知られる巨匠画家イカールによる一点。
ランプが照らし出す、4人の奏者たちの美しい肌はまるで陶磁器のように滑らかであり、そしてふっと消えてしまいそうなほど幽玄な雰囲気を漂わせています。
いつまでも耳を傾けていたくなるような彼女たちのカルテット。
ほの暗い照明を灯して鑑賞に浸りたい至極の名品です。


デュヴュッフェ プレリュード アモン 春のコンサート

(左)G・デュビュッフェ「プレリュード」(1892年 エリオグラヴュールに手彩色)
(右)ジャン=ルイ・アモン「春のコンサート」(1878年 エングレーヴィング)

これらの2点の作品は、19世紀の画家たちが手がけた油彩画を元に、美術商会グーピル・エディターが監修・制作した銅版による複製画。
官展(サロン)の受賞作などから特に人気の高い作品を選び、復刻されたこうした銅版画は、19世紀末から20世紀初頭にかけて販売され、日常生活で気軽に絵画を愉しみたいブルジョワ市民層の間で大変な人気を博しました。
熟練した版画職人たちの技が光る、稀少なアンティーク古版画です。

(グーピル・エディターについて詳しくはこちら


ミュシャ ポストカード

ミュシャ「プログラムのためのデッサン」
(1900年 リトグラフ)

ワイズバッシュ ヴァイオリニスト

ワイズバッシュ「ヴァイオリニスト」
(エッチング)

(左)ミュシャ「プログラムのためのデッサン」
1897年11月6日に行われた、とある夜会。
その会のプログラム表紙を依頼されたミュシャは、竪琴を手にして夢想する美しい女性を描きました。
ミュシャの描く優美な女性像は19世紀末、爆発的に流行。
ポスターやカレンダーの他、小さなポストカードにも刷られ、多くの人々を虜にしました。
本作も、1900年発行のポストカードの一枚です。

(右)ワイズバッシュ「ヴァイオリニスト」
ヴァイオリニストやピアニスト、トランペット奏者などが活き活きと演奏する様子を描いた作品で知られ、粗々しく踊るような筆致が特徴的な現代画家ワイズバッシュによる銅版画。
魂を込めて一心不乱に弓を引くストイックな音楽家の姿に思わず心が揺さぶられる一点です。


その他、ローランサンやシャガール、ロートレックらが手がけた音楽にまつわる約30点を展示。
店内の常設展示コーナーでは引き続き、アルフォンス・ミュシャと藤田嗣治が生前に手がけたオリジナル作品をご覧いただけます。

多くの皆様のお越しを心よりお待ちしております。

吉祥寺 ミュシャ特集

<ミュシャ 特集>

吉祥寺 藤田特集

<藤田嗣治 特集>

(R・K)