【9月企画展開催予告】ギャルリー・アルマナック吉祥寺「音楽を描いた画家たち展」

イカール「歌のレッスン」

 

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

19世紀中ごろの美術界。
「私は、目に見えるものしか描かない」と宣言し、現実を客観的に観察した写実描写で知られる画家、といえば。
そう、ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)です。

天使を描いてくれという依頼に、
「それなら天使を見せてみろ。ならば描いてやろう」と言い放ったエピソードもよく知られていますね。

モロー「オイディプスとスフィンクス」

一方で、同じ時代。
「私は、見えるもの触れるものを信じない。目に見えないもの、すなわち心で感じるもののみを信じる」と謳い、主観的な感情や精神世界を探求した画家、といえば。
象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー(1826-1898)。

聖書や神話を題材にしたモローの作品の多くには、クールベが決して描かなかった天使や空想上の動物が登場します。

いわば、客観に徹した写実主義と、主観がすべての象徴主義。
同じ時代、同じフランスという国を舞台に画家として活躍した二人の、相反する対照的な表現力がとても面白いですね。

では、「音楽」を主題にした絵画はどちらに近いのでしょうか。
音楽そのものが主観的か客観的かという疑問はなかなか奥深いですが、目に見えない「音」を視覚化する”音の描かれた絵画”は、画家の内から沸き起こる感性を重視した主観的な作品が中心、という気がします。

ですが、「音」を客観的に描いた絵画も意外に存在するかもしれませんね。

さて、9月のギャルリー・アルマナック吉祥寺では、そんな思索に思わずふけてしまう「音楽」を主題に描かれた作品を特集。
芸術の秋、音楽の秋、はたまた哲学の秋へと皆様をいざなうような作品をご用意して、皆様のお越しをお待ちしております。
どうぞお楽しみに!

出品予定作家:シャガール、イカール、デュフィ、マティス、ファンタン=ラトゥールなど。

 

マティス「道化師」(『ジャズ』より) イカール「パーフェクトハーモニー」
デュフィ「オーケストラ」
シャガール「ロミオとジュリエット」
藤田嗣治「辻音楽師」
マルタン「秋のソナタ」

(R・K)