【7月企画展】ギャルリー・アルマナック吉祥寺「現代フランス人気作家絵画展」開催中!
お待たせいたしました。今月の企画展が先週よりスタートいたしました。
ギャルリー・アルマナック吉祥寺にて開催している毎月恒例の絵画展。
これまでの企画展でメインにご紹介してきたのは、ミュシャや藤田嗣治、シャガール、デュフィ、マティスなど、19世紀末に生まれ、主にフランスを舞台に活躍した画家たちの作品です。
しかし、弊社がお取り扱いをする画家は彼らだけではありません。
19世紀初頭のヨーロッパの巨匠画家から近現代の画家、日本の洋画家まで世代や作風を超えた多岐にわたる作品をご用意しております。
そこで今月は、皆様により多くの作品をご覧いただけるような新しい試みを企画。
「現代フランス人気作家絵画展」と題し、カシニョール、ブラジリエ、ビュッフェ、アイズピリなど主に20世紀後半に一世を風靡した画家たちを特集いたします。
出品作品の一部を、それぞれの作家の略歴も合わせてご紹介しましょう。
ジャン・ピエール・カシニョール(1935-)Jean-Pierre Cassigneul
フランス・パリ出身で、地元パリの名門美術学校を卒業後、世界各地で定期的に個展を開催。
日本には1969年に初来日。
愁いを帯びた細長のシルエットの女性が佇む姿を描いた特徴のある画風で一大ブームを巻き起こしました。
その色彩や構図には、エコール・ド・パリを代表する画家の一人、ヴァン・ドンゲンからの強い影響が垣間見えます。
ベルナール・カトラン(1919-2004)Bernard Cathelin
フランス・パリ出身。
抽象化した花束と花瓶、風景、女性をモチーフに、鮮やかな色彩を用いながらも静謐さの漂う作品を残した画家。
創作活動の源泉には、母親の出身地フランス南東部のドローン県を始め、幼少期を過ごしたメキシコの思い出、ロシア、イタリア、日本の建築などの影響があると言われています。
1995年、レジオン・ドヌール勲章受章。
パリの名工房ムルロと協同制作し、熱心に取り組んだリトグラフ版画は、その質の高さで今なお国際的に高い人気を博しています。
カトラン「赤い背景の白い花」(リトグラフ E.A. サイン入り) 額サイズ:70×56cm | カトラン「花」(リトグラフ E.A. サイン入り) 額サイズ:86×64cm |
ベルナール・ビュッフェ(1928-1999)Bernard Buffet
フランス・パリ生まれ。
パリ国立高等美術学校でウジェーヌ・ナルボンヌに師事。
太い輪郭線やキャンバスを縦に走る黒線を強調した作風で、宗教的主題、風景、肖像、静物を描いた画家。
やや陰鬱さをも感じる画風は、疲弊していた戦後フランスの世相に完璧に合致し、たちまち人気画家へと上り詰めました。
彼の作品に魅せられた日本人コレクターの岡野喜一郎氏は1973年にビュッフェ美術館を開館。
今も彼のレガシーを伝え続けています。
アンドレ・ブラジリエ(1929-)Andre Brasilier
フランス・ロワール県にて画家の両親のもと誕生したブラジリエは、パリの国立高等美術学校で学び、23歳でローマ賞受賞。
やわらかで夢想的な世界観の中に馬、風景、音楽、女性を主題に描く独自の画風を確立。
身近な題材に内在する生命の美を見つめたブラジリエの作品は高く評価され、ロシアのエルミタージュ美術館でも個展が開催されました。
ポール・アイズピリ(1919-2016)Paul Aizpiri
フランス・パリ生まれ。
名門美術学校で学び、1940年代から徐々に名を知らし始め、世界各国で次々と個展を開催しました。
画家ムンクからの強い影響による粗い筆さばきや、少年時代に育ったバスク地方(スペインのフランスの国境にまたがる地域)にインスピレーションを得た鮮烈な色彩がアイズピリの作品に唯一無二の個性をもたらしています。
アイズピリ「オレンジ色の背景の花束と鳥」(リトグラフ Ed.41/130 サイン入り) 額サイズ:53×43cm |
アイズピリ「グレーの背景のピンクのバラ」(リトグラフ E.A. サイン入り) 額サイズ:67×55cm |
その他の出品作家は、トマス・マルタン、ジャン・ジャンセン、ポール・ギヤマン、ダニロ・フェルナンデス、などなど。
いつもとはちょっと異なる雰囲気の、ギャルリー・アルマナック吉祥寺を味わいに是非ご来店くださいませ。
思いがけない出会いがあるかもしれません。
(R・K)