7月は「画家が描いた絵手紙と挿絵展」を開催予定です


こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

先日まで、渋谷Bunkamuraでは、稀代の浮世絵師歌川国芳と国貞を特集した美術展が開催されていましたね。
世界屈指の浮世絵コレクションを誇るボストン美術館の秘蔵品ということもあり、歌舞伎役者ブロマイドや武者絵から、くすっと笑ってしまう滑稽な戯画など庶民的なものまで、コレクションの幅広さがみどころの一つでした。

歌川国芳「ひとかたまってひとになる」

 

今回特集された歌川国芳は、特にそうした戯画やいわゆる判じ絵でもよく知られた浮世絵師。
何気ないことばに「機微」を与えるイラストや挿絵などの視覚描写は文字だけでは伝わらない絶大な癒し効果がありますね。
例えば、イギリスの小説家サッカレーのエピソードは痛快。
彼は、社交界の重鎮オルセー伯爵アルフレッドからの晩餐会やパーティーへの招待を機知の利いた挿絵入りの手紙で毎度断り、逆に多いに伯爵を楽しませたとか。

サッカレーの手紙

 

こちらはその一枚。
この日は”印刷屋の小僧がドアをふさいでしまい”、外出が出来なかったんだとか。

何気ない挿絵によって、受け取る人の楽しさも何倍にも増すようですね。
皆様も、したためた手紙に小さな挿絵を添えて送ったことがきっと一度はあるのではないでしょうか。

ギャルリー・アルマナック吉祥寺ではこうした絵手紙作品の中から、20世紀の芸術家が残した絵手紙や挿絵に注目した企画展を開催いたします。
画家人生を賭けて描いた大作や依頼された肖像画などと違い、親しい人たちへ心を込めて描いた挿絵からは、彼らの愛情や優しさ、ユーモアなど個人的な感情が伝わるようです。

 

「エドゥアール・マネの手紙」「ベルト・モリゾの書簡」「ゴーギャンの晩餐会メニュー」他、ミロや藤田嗣治などが手がけた心温まる挿絵をご紹介いたします。
7月の展示をどうぞお楽しみに!
(会期予定:7/2~31)

(R・K)