4月は「ラウル・デュフィ展」を開催予定です

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ブログをお読みいただきありがとうございます。

世田谷美術館や、三菱一号館美術館、さらには箱根のポーラ美術館でも開催されるなど
ファッションにまつわる美術展が豊作な今年。

各時代の歴史的な背景や文化的現象などが複雑に絡み合い、大きな変遷を遂げてきた西洋ファッションですが、
当店は今月、特に1920~30年代を指す「アール・デコ」時代にフォーカス。
このアール・デコデザインの特色の一つが、”文様の繰り返し”です。
アール・デコ建築で知られる東京都庭園美術館でも各所に見られる意匠です。

同じ模様を何度も反復することで生まれるリズミカルで幾何学的な模様は、
この時代のあらゆる芸術分野で見られ、例えば画家ラウル・デュフィが考案したドレス生地のデザインにも”文様の繰り返し”は積極的に用いられました。

デュフィが他のテキスタイルデザイナーを凌いで突出していたのが、その個性的な文様。
ページトップに掲載したこれらの3つのデザインは、何を繰り返していると思いますか?

拡大したそれぞれのテキスタイルをよくよく見ると・・・・
そこに描かれているのは、華やかなダンスホールの様子や、麦を刈る人、テニスをする男女まで!

ダンスホール 収穫 テニス

近くで見ると「えっ」と思う意匠や主題なのですが、
反復という技法により、シックでジオメティカルなデザインに様変わりしていますね。
斬新で遊び心溢れるテキスタイルデザインでパリの女性たちを虜にしたデュフィは、
1929年までファッション界に携わったのちに、画家としてのキャリアをさらに確固たるものにしていきます。

それからわずか8年後の1937年。
パリで開催された万国博覧会に出品する大壁画制作の依頼を受けたデュフィは、
自身の代表作の一つとなる「電気の精」を完成させ、美術史に残る大役を遂行しました。

さて、ギャルリー・アルマナック吉祥寺では来月、
画業のみならずファッションから舞台芸術、陶芸やタペストリーデザインに渡るまで
多岐に活躍したマルチな才能を持つ芸術家ラウル・デュフィを特集。
軽やかな筆致と明るい色彩でいつの時代も観る者を魅了するデュフィは、春の訪れを感じるこれからの季節にぴったりですね。

企画展は4/2(土)から4/30(土)を予定しております。
来月の展示をお楽しみに!

(R・K)