映画「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」


こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

以前このブログでサラ・ムーンという女性写真家をご紹介したことがありました。(詳しくはこちら
彼女はモデルとしてデビューしたのちに、被写体から撮影者の側に回り、ファッション雑誌のフォトグラファーとして、華やかなモードの世界を舞台に活躍する女流写真家。
70歳を超えた今も世界中で企画展の開催や写真集の出版が絶えない現役の芸術家です。


そうしたサラ・ムーンとは全く対照的に、15万枚にも及ぶフィルムを残しながら生前に作品を発表することなく、ただひっそりとシャッターを切り続けた一人の女性がいました。

彼女の名はヴィヴィアン・マイヤー。
職業は「家政婦」。
彼女は一体、何者だったのでしょうか。
その女性をめぐるドキュメンタリー映画が公開されています。

2007年に開催されたあるオークションで、大量に出品された謎のネガフィルム。
ガラクタ同然のような代物を落札した青年ジョン・マルーフは、興味本位で写真を現像しブログに投稿。
すると、絶賛の声が次々と押し寄せられ主要メディアも大きく取り上げるほど注目を集めたのです。

しかし、このフィルムを残したのはどんな人物なのか。
ジョン・マルーフは、落札時にオークションハウスから告げられた「ヴィヴィアン・マイヤー」の名と、残された紙片に書かれた電話番号を頼りに、この謎めいた写真家の正体を探す旅に出かけることに。

存在がベールに包まれているからこそ、小さな発見や偶然がつながると大きな奇跡や感動を生むもの。

ジョン・マルーフは、ヴィヴィアン・マイヤーの雇い主であった人々に次々話を聞く中で、彼女がフランスの血を引く可能性があることに着目します。

そして、残されたフィルムを何度も見返す中で、彼女が10年間に2度訪れ撮影している場所を発見。
彼女に何らかのつながりがあると考えその村を訪れると、何とヴィヴィアンの親族の男性が今もそこに住んでおり、彼のために当時ヴィヴィアンが撮影した写真を大事に保管していたのです。
ヴィヴィアン・マイヤーと彼女の作品のように、こうした未発見のまま埋もれた芸術家が、世界中にあまた存在していると思うと何だかワクワクした気持ちになります。
例えば今日ふと手にした古いカードや手紙から、もしかしたら世紀の大発見!が起こるかもしれませんね。

(R・K)