10月「ミュシャ展」が始まりました


こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

今月の企画展「ミュシャ展」がいよいよスタート。
涼やかで軽い筆致のデュフィ作品が店内を彩っていた先月から一転、今月は重厚的なアール・ヌーヴォーの装飾が華やかに皆様をお迎えします。
ミュシャの創り上げた女性たちは、全てを包み込むような柔らかで優しげな女性から凛とした芯の強そうな女性まで、どの女性も個性があり、女神のような神秘性を帯びています。

装飾パネル「夏」(1896年)

1896年に制作された四季連作「夏」もまた、個性と神秘を合わせ持つ魅惑的な女性。
何かを暗示したポーズなのでしょうか。
そっと唇に触れた指や、そっと水に触れている足先。
見下ろすような視線。
誘っているようにも見え、これ以上は近づかないでいと言っているようにも見える、何とも 蟲惑的な女性です。

紙に刷られた通常のリトグラフと異なり、何とリネン布を用いたリトグラフ作品。
当時、ポスター画家として絶大な人気を博していたミュシャ。
街中に貼られるポスターを見るだけでなく、その作品を手元に置きたいという人々の需要に応えるべく制作されたのが、いわゆる「装飾パネル」と呼ばれる作品です。

1896年当時、布で制作されたこの「夏」を依頼した注文主は一体どんな方だったのでしょうね。

「男の習作」(1900年頃 素描)

ところで、ミュシャと言えばやはり美しい女性像を描くイメージですが、当店では男性を描いた稀少な肉筆デッサン画を所有しています。

試行錯誤を繰り返したような線の書き直しが多い(それが魅力でもあります)藤田嗣治のデッサン画と比べると、ミュシャの素描は迷いのない的確な描線が特徴的。
メランコリーな表情で腕を組みながら思索する男性の内面まで見えてきそうです。

今月の展示ではミュシャ芸術の金字塔とも呼べる華やかな作品から、ミュシャの息づかいまで聞こえてきそうな程リアルな肉筆作品まで幅広くご用意。
11/1までの会期をどうぞお見逃しなく!

当店所蔵のミュシャ作品在庫はこちら

(R・K)