サルバドール・ダリ「ダリ美術館開館記念リトグラフポスター」のご紹介


こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

現在当店で版画展を開催中のルネ・マグリット。
パリではピカソや藤田嗣治、コクトー、ダリ、モディリアーニ、マン・レイなどの芸術家が毎夜華やかに騒ぎ合う「狂乱の20年代」を謳歌していたのに比べ、生涯の多くの時間を故郷のベルギーで過ごしたマグリットは、比較的静かで慎ましい生活を好みました。

しかし、マグリットが唯一パリに在住した1927年から30年までの3年間は、様々な芸術家との交流があり濃密な時間だったことでしょう。

アンドレ・ブルトン 「シュルレアリスム宣言」(1924)

その数年前の1924年。
初期のマグリットに大きな思想的影響を与えたものがありました。
アンドレ・ブルトンが発表した「シュルレアリスム宣言」です。
第一次世界大戦の体験から生まれた芸術思想・芸術運動で、既存の価値観や固定観念をことごとく否定するダダイスム。
そのダダイスムから派生したシュルレアリスムは、「既成の道徳観、美的感覚と理性のコントロール外で、思考の真の機能を表現する」ことを目標に芸術運動を展開。
自由な表現を模索していたマグリットにとって、画家として歩むべき道に気付いた最初のターニングポイントでした。

1927年、パリへ移住したマグリットは早速アンドレ・ブルトン率いるシュルレアリストのグループに参加。
マックス・エルンスト、サルバドール・ダリ、ポール・エリュアールらシュルレアリストの芸術家との交流が始まりました。
彼らの中で最も有名なのはやはり「サルバドール・ダリ」ですよね。
当時、シュルレアリスム映画の傑作と評される伝説の作品である「アンダルシアの犬」を制作中だったダリと初めて出会ったマグリット。
その後二人は意気投合し、スペインにあるダリの別荘に休暇に出かけたり、さらに、1930年の3月には共同個展を開催するなどお互いに芸術的影響を受け合いました。

Dali Theatre-Museum外観

それにちなみ本日は、当店が扱うダリ作品の中から稀少なリトグラフポスターをご紹介しましょう。

1960年代、故郷のスペイン・フィゲラス市長から作品の寄贈を依頼されたダリは自身の美術館「Dali Theare-Museum」を設立することを提案。

設計や展示の細部までダリ本人が積極的に携わり1974年9月に開館した美術館は、ダリワールド全開の展示で現在も周辺の観光名所の一つになっています。


この美術館の開館記念に制作されたのがこちらの11種類のリトグラフポスター。
(各2000部限定、ムルロ工房制作、73cm×52cm)

11枚のポスターの題材はそれぞれ、8枚が1972年出版の銅版画集「The Twelve Tribes of Israel(イスラエル12部族)」より、
(※イスラエル12部族についての詳細はこちら

そして残りの3枚が1974年出版の銅版画集「After 50 Years of Surrealism(シュルレアリスムの50年後)」から選ばれました。


各ポスターには上部に大きくダリの名前、下部には美術館名と開館年月がシンプルに印刷され、最下部にはムルロ工房の印が刷られた価値あるリトグラフポスター。
現在、当店では全ての種類をお取り扱いしております。
気になる作品がございましたらお気軽にお電話(0422-27-1915)またはこちらよりお問い合わせくださいませ。
作品ページはこちら

(R・K)