テーマはワイン!デュフィが手がけたお洒落な挿画本『モン・ドクトル・ル・ヴァン』のご紹介

 

制作年:1936年
技法:コロタイプ
出版元:ドラジェ・フレール

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

昨日は天皇誕生日の祝日、そして今日はクリスマスイブですね。
相変わらずの寒さですが、からっと晴れた冬空の日差しの元吉祥寺も多くの人で賑わってます。
皆様は、クリスマスや年末年始のご予定はもう立てられていますか?

さて、そんなホリデーシーズン目前の本日はどこかワクワクするような華やかで洒落た挿画本をご紹介しましょう。

本のテーマは「ワイン」。挿絵を手がけた画家はラウル・デュフィ。
数ある挿画本の中でもワインを題材にした作品は大変稀少です。
一体、どんなことが書かれ、そして描かれているのでしょうか。

「ニコラ」は現在もフランス国内に数百店舗あるそう。

 

この本の発起人はフランスの大手ワインチェーン「ニコラ」。
フランスでは誰もが知る、1822年創業の老舗点です。

出版当時の1930年代は、学者たちの研究によりワインの高い健康効果が注目された時期。
しかし同時に30年代のフランスは、ブドウ種の不作が長く続いた時期でもありました。



14番目のコラム挿絵にはこんな会話が掲載されています。

「テニス」

―それにしても、誰が母と娘だって思うかな?
―まさか!姉妹にしか見えないよ・・・
―シャンパーニュ地方では、健康と若さはワインで保つんだ。



16番目のコラム。

何やらざわざわしたオークション風景の中こんな声が聞こえてきます。

「オークション」

―このルーベンスは素晴らしい!まったく、フランドル人ってのは・・・
―もちろん、偉大だよ・・・だが、われらのブルゴーニュワインなしには、
きっと上手くいかなかったさ!


「夜会の仕度」

 

弊社では、この『モン・ドクトル・ル・ヴァン』をお取り扱いしております。
適度なワインの消費が医学的にも推奨された当時のフランス。
現代でも続くワイン文化のその後の大きな浸透に、明るく軽やかなデュフィの挿絵で目を引くこの本が一役買ったかもしれませんね。

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(R・K)