12月は「マリー・ローランサン展」を開催予定です

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、12月の企画展が決定いたしましたのでご案内させていただきます。
来月は、夢見るような少女達を題材に淡い色調と優しい筆遣いで独特の画風を展開させたエコール・ド・パリの華、女流画家のマリー・ローランサンを特集。

1883年のパリ。ローランサンは私生児として世紀末のパリに生まれました。
次第に画家を志すようになった彼女は絵画学校でキュビスムの創始者ジョルジュ・ブラックと出会い、彼の紹介でとある場所に通うようになります。
それがピカソやジャン・コクトーら前衛的な芸術家達が集まっていた安アトリエの「洗濯船(パトー・ラヴォワール)」。
ローランサンはここで多くの芸術家たちと交流し、影響を与えあいながら独自のスタイルを築いていきます。
後に破局したもののここで出会い恋仲になった詩人アポリネールも、若いローランサンにとって大きな存在だったことでしょう。
アポリネール27歳、ローランサン22歳の出会いでした。
アポリネールは彼女と別れた後38歳の若さで病没しますが、20世紀初頭を代表する詩人・美術評論家として今なお高く評価されています。

その後、ローランサンはドイツ人男爵と結婚するも第一次世界大戦が勃発。
ドイツ国籍になっていた彼女は7年間にも及ぶ亡命を強いられ、次第に結婚生活は破綻していきます。
終戦後夫と別離し、単身パリに戻り華やかで優美な女性像でエコール・ド・パリの人気画家の一人になりました。

私生活と戦争に翻弄された生涯の中でも創作活動を続けたローランサン。
彼女の生み出すどこか憂いを秘めた女性たちには、全てを許してくれるような深い優しさの中に、激動の時代を生き抜く女性としての力強さも同時にあるような気がします。

来月の「マリー・ローランサン展」ではオリジナル版画や挿画本を含めた約40点を展示予定。
彼女だけが生み出せる美の世界観に是非酔いしれてください。
会期は12/2から12/30まで。(当店収蔵のローランサン作品はこちら
来月の企画展をどうぞお楽しみに!

(R・K)