現代にも生きるシェイクスピア芸術

ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)
「ポリグラフ」

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。

先日、東京芸術劇場にて「ポリグラフー嘘発見器ー」という舞台を鑑賞いたしました。
俳優陣の演技もさることながら、この舞台の演出が非常に斬新で視覚効果満載。
演出の力って無限大ですね。
限られた場面空間が時空を超えて、過去にも未来にもなる。
室内にも屋外にもなり、同じ舞台上で夢と現実が共存もできる。
そして、限られた舞台美術が何通りもの役割を果たす独特の舞台表現は、臨場感あふれる演技と相まって映画でもドラマでも絶対に味わえない魅力があります。


ちなみに演出担当は、「あまちゃん」や「軍師官兵衛」での名演が冴える吹越満さん。
自らこの舞台にご出演もされてます。さて、劇中こんな台詞が登場します。

「生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ」

そうです、あのシェイクスピアの「ハムレット」に出てくる有名な台詞。
細かいあらすじは控えますが、劇中に何度か繰り返され、場面にスパイスを加える印象深い台詞であったとともに、卓越した観察眼と豊かな言語表現で人間の深層心理を描くシェイクスピアの芸術が、没後400年近く経過しても色褪せずに、時にはこうして現代の舞台と融合されながら生き続けていることを改めて感じた舞台でした。

現在、練馬区立美術館ではシェイクスピアの生誕450年を記念した特別展が開催中。
今回観劇した「ポリグラフー嘘発見器ー」のように、シェイクスピアにインスピレーションを受けた後世の芸術家は枚挙に暇がありません。
この特別展はそうした芸術家の作品の中から皮革装丁本、絵画、挿画本に焦点を当てて、シェイクスピア芸術の世界を広げようという展示だそうです。

ドラクロワやシャガール、ウォルター・クレインなどタイプの違う多彩な芸術家の作品が同じ美術展で鑑賞できるのも珍しいですよね。
皆様も是非行かれてみてはいかがですか?

(R・K)