11月企画展は「ミレーとバルビゾン派の画家展」を開催予定です

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ブログをお読みいただきありがとうございます。

フランス・パリ郊外の村バルビゾン。画家ジャン=フランソワ・ミレー(1814-1875)が愛した村です。
彼はここで、毎日を慎ましく生きる農民たちを繰り返し描きました。

素朴で寡黙な労働者たちを見つめ続けたミレー。
郊外のありふれた光景でありながらも、ミレーの捉える一瞬にはどこか宗教画にも通じるような荘厳さ、神聖さがあります。

国立美術学校で学んだ古典的なアカデミズム絵画のルールを超えて、「農民」を主人公にしたミレーはどのような時代に生きたのでしょうか。
19世紀前半は、ロマン派や写実主義、印象主義など新しい美術様式が盛んに生まれた時代。
画家は次第にアトリエ中心の制作から戸外へと出向くようになります。

主題も劇的に変化しました。
神話画や歴史画などの伝統的な主題ではなく、日常生活や自然風景が題材として扱われるようになったのです。
慣習的に低く評価されてきた風俗的主題や風景を積極的に描くことは、当時非常に画期的なことでした。

そうした風潮の中でミレーと同じように、フランスの原風景が残る自然風景に惹かれた画家達はバルビゾン村に移住し、詩情溢れる美しい田園風景を描いたのです。
(バルビゾンについて詳しくはこちら

来月の当店企画展では、ミレーやコロー、ドービニーなどバルビゾン派の作品約30点を展示。
油彩作品も出品を予定しております。

また、今年はミレーの生誕200年。
それを記念した大きな展覧会も日本全国で開催されていますね。
素朴な風景に生きる農民たちというバルビゾン派が愛した何気ない主題。
しかし、彼らに対する敬意を持った画家の温かいまなざしを通すことでこれほど崇高な場面に昇華するのかとただ驚くばかりです。

当店展示は11/1から30を予定しております。
また、ミレーの取扱作品の一部はこちらからご覧いただけます。
皆様のお越しを心より待ちしております。

(R・K)