書家の紫舟さんと藤田嗣治のアトリエ

皆様こんにちは。
やっと秋らしい季節になってきましたね。
ところで、皆様もよくご存知でしょう、これらNHK番組のタイトル文字。

いずれも、女性書道家の紫舟さんという方が制作されています。
とても、美しく凛とした印象を感じる題字ですよね。

余談になりますが、「龍馬伝」の”龍”では、龍馬や主演を務めた福山雅治さんの長身でシャープな風貌を、”馬”では、激動の時代を駆け巡った龍馬の動を、そして”伝”では、北辰一刀流を習得しながら人を殺めなかったという龍馬の刀の軌道を表現しているそうです。(紫舟さんHPより)

先日、偶然彼女の記事を拝見いたしまして、興味深いお話がありました。
自身を表現するアートとして「書」を世界に発信している紫舟さん。
最近は自身の作品をファッションと融合させ、書と服のコラボレーションも行なっています。

そんな彼女が芸術とファッションの都パリ滞在中に訪れ、強くインスピレーションを受けた場所。
それが、華々しいベル・エポックの時代に活躍した日本人画家・藤田嗣治の終の棲家だったそうです。

この場所は晩年の藤田が君代夫人と共に静かに暮らしたパリ郊外のアトリエ兼住居で、フレスコ壁画や使用していた日用品が現在でもそのままに展示されています。
紫舟さんは館長の案内の元、ここで藤田が愛用していた書道具をご覧になったそうです。

パリで生きた藤田にとって、日本人としてのアイデンティティを表現する重要な手段であった書道具による描画。
特に、面相筆と呼ばれる極細筆で輪郭線を描いていたことはよく知られています。

日本人でありそして書家である紫舟さんが、東洋の魂が宿る藤田の筆致に惹きつけられたのは当然かもしれません。
画家・藤田嗣治が時代や芸術表現を越えて、こうしたインスピレーションを与え続けていることに改めて感銘を受けた記事でした。

まるで生きているかのように繊細な筆致  (当店取扱作品『夜と猫』より)

 

 

 

 


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(R・K)