フランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」とフェーブ

思わずよだれが出てしまいそうな美味しそうな焼き菓子・・・
これは「ガレット・デ・ロワ(gallete des rois =王様の菓子)」と呼ばれるフランスの伝統的なお菓子。
今日は、このガレット・デ・ロワについてご紹介したいと思います。

このお菓子が食べられる時期は決まって新年。
それは、こんなお話にちなんでいるためです。

むかしむかし、イエス・キリストが生まれることを聞きつけて東の方角から3人の賢人がヨルダン川西部の街ベツレヘムにやってきました。
誕生から約10日後の1月6日。3人の賢人たちはそれぞれキリストに謁見し、お祝いの品を贈ります。
この出来事を新約聖書では「公現祭(神が公に現れる)」と呼び、これを記念しこの日に伝統的に焼き菓子が食べられるようになりました。

賢人たちの来訪を描く「東方三博士の礼拝」はキリスト教絵画で頻出主題

そして時代はめぐり、16世紀のフランス。
新しい年の司祭を決める方法として、ある教会がこの焼き菓子にフェーブ(空豆)を一粒入れることを考案。
フェーブが入った一切れを食べた人が司祭に選ばれるようになりました。
そしてその風習が他の地方や一般家庭にも広がり、いつしかフェーブも元来の空豆からかわいい陶器の人形を入れるようになったとか。
ちなみに胎児の形に似た空豆は、古代から命のシンボルと考えられているそう。

あ、フェーブが入っていました!

現代ではどちらかというとゲーム感覚で親しまれてるフェーブ。
切り分けられたお菓子に陶器の人形が入っていたら、あたり!
王冠をかぶって王様になり、その日一日皆から祝福されるそうです。
また、その年の間幸福が続くとも言われています。
何だか日本のおみくじににも似た、新年の縁起物ですね!

先日、このかわいらしいフェーブがフランスより入荷しました。
長さ4cm程のフェーブは一つ一つ微妙に表情も違い、手作りのような少し粗野な出来がまた絶妙です。
コレクターの方も結構いらっしゃるんだとか。
皆様もおひとつ、いかがですか?

(R・K)

陶磁器

Posted by blanca