リモージュ各種「カップ&ソーサー」のご紹介

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。
ついに本格的な夏が到来しましたね、皆様今年の夏の予定はもう立てられましたか?

さて今回は、ヨーロッパの正統派陶磁器をご紹介しましょう。

メープル葉文カップ&ソーサー 1890-1931年頃 カップ底部の窯印

蔓花文カップ&ソーサー 1907-19年頃 カップ底部の窯印

飾り小花文カップ&ソーサー 1894-1931年頃 カップ底部の窯印


フランスの陶磁器といえば、最も気高く有名なのがセーブル磁器。
フランス国要であるセーブル磁器は制作点数も年間6000ピースと大変少なく、そのほとんどが国家の使用に充てられるため、市場に流通する数の少ない幻の磁器窯。
そのため、一般的にかなりの高価格で取引されています。

当店でも現在、残念ながらセーブル磁器は所有しておりませんが、今回はフランス磁器生産の街として世界的に有名なリモージュ磁器をご紹介いたします。

「リモージュ」とはフランス中部の地名。
この地域は、近くの鉱脈で硬質磁器製造に必要な原料カオリンを含む良質な粘土が発見された1771年以降に磁器製造で繁栄しました。

16世紀ごろ中国よりもたらされ、ヨーロッパの人々を魅了した美しい白色磁器はまず1709年にドイツ・マイセン窯が開発に成功。
しかし、製造工程が堅く秘められていたため、リモージュは半世紀以上遅れて磁器産業の歴史に幕を開けることができました。

初め、地元貴族アルトワ伯爵の庇護のもとで生産が始められましたが、初期はデザインにレパートリーが少なく経営が行き詰まると、フランス政府に買収され、セーブルの一部門になりました。

セーブルからの装飾職人が送られたことで絵付けの技術は高まりましたが、時代は18世紀末。
フランス革命の勃発により嗜好品の製造が禁止されるなど、磁器製産業自体が大変不安定な時代が続きました。

しかし、そんなリモージュの窯業にようやく黄金時代が訪れます。
19世紀中頃になり、アビランドやベルナルド、レイノーといった名窯が次々とリモージュに創設。
特に、アビランドはリモージュを代表するブランドへと発展していきました。
その転機は何だったのでしょうか。

1842年。
ニューヨークに置いて兄弟で貿易商を営んでいたダビド・アビランドは、フランスにおける製磁業の可能性を探るためにリモージュを視察。
この地でアメリカ人の好みに合う磁器を生産・輸出していこうと一大決心をしました。

アビランドの強い信念と行動力により事業開始から10年後にはアメリカへの輸出数が10倍になり、フランスの新しい磁器製品としてアメリカで話題を集めたのです。

その後、南北戦争や普仏戦争、世界大恐慌など多くの苦境を乗り越え、アメリカのみならず国際的な評価を高めたアビランド社。
ゴーギャンやジャン・コクトー、デュフィなど当時の芸術家たちとの創作によるテーブルウェアの発表や万博への出品など、時代を読む姿勢が高い支持を受けてきました。

当店では、アビランドを始めとするリモージュのカップ&ソーサーを各種ご用意。
是非、一度ご覧にいらしてくださいませ。
きっとお気に入りの逸品が見つかるはずです。

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(R・K)