エマニュエル・ヴィラニス「海賊に囚われた女」、マチュラン・モロー「海精の唄」のご紹介

 

「海賊に囚われた女」
– PRISE DE CORSAIRE –
エマニュエル・ヴィラニス
ブロンズ・大理石台座
高さ:84.5cm

「海精の唄」
– SONG OF THE SEA –
マチュラン・モロー
ブロンズ・大理石台座
高さ:80.7cm


こんにちは。

当店商品のご紹介第五回目の本日は、精緻なデザインと一瞬の動きを捉えた女性のポーズが目を引く2体のブロンズ像をご紹介します。
エマニュエル・ヴィラニス作「海賊に囚われた女」(左)とマチュラン・モロー作「海精の唄」(右)。
いずれも「海」と「女性」を主題にした約100年前のブロンズ像です。

エマニュエル・ヴィラニス
エマニュエル・ヴィラニスは1858年フランス生まれ。
イタリアの美術学校で学んだ後、パリで彫刻家として活動しました。
特に1800年代後半にかけて、女性の胸像を中心に制作。

「海賊に囚われた女」(左)は、鎖につながれ不自由のみとなってしまった若い女性の、遠くを見つめるような眼差しが印象的です。
足元には海賊に囚われたことを象徴するようにうねる波が描かれ、この先に待つ女性の運命を暗示しているかのようですね。
近くにはヴィラニスの陽刻サインも見えます。

 

マチュラン・モロー
一方、「海精の唄」(右)を制作したマチュラン・モローは1822年フランス東部のディジョンでブロンズ彫刻家一家の元に生まれ、パリ国立美術学校で父親に師事し彫刻を学びました。
伝統的なアカデミズムスタイルの作風が特徴で、サロンと呼ばれる格式高い官展に数多く出品。
幾多の名誉ある賞を受賞しています。

こちらの作品では、大きく後ろに背を反らして弓を引くような伸び伸びとした姿が目を引きます。
躍動感あふれるこの美女は海の精でしょうか。
彼女の掲げるハープのような竪琴からは今にも奏でる音色が風に乗って聞こえてきそうです。
「海賊に囚われた女」同様、女性の足元には荒々しく波が立ち上がり、絶えず動く波の一瞬の表情を巧みに捉えています。

 
 

当店では、これらのブロンズ像の他、ペーパーナイフやペントレイなどの小物までブロンズ工芸品を数多くお取り扱い。
アンティークならではの深い味わいで重厚感あふれるブロンズ。
乾いた柔らかい布で優しく拭くだけという日常のお手入れのしやすさも魅力の一つです。

他ブロンズ作品はこちらでもご紹介。

薊文ペントレイ&ペーパーナイフセット

(R・K)