ケイト・グリーナウェイ絵本『窓の下で』のご紹介

ケイト・グリーナウェイ 窓の下で「木陰の王女様」『窓の下で(Under the Window)』より
制作年:1879年
技法:木口木版(オリジナル版画)
出版元:F.ウォーン出版(ロンドン)

こんにちは。
突然ですが、当店の店名ギャルリー・アルマナックの「アルマナック」の意味をご存知ですか?

「アルマナック」という言葉には、英語でカレンダーや暦という意味があり、当店の名前はある芸術家の作品から拝借させていただきました。
その芸術家が、本日ご紹介するイギリス人絵本画家ケイト・グリーナウェイ。
彼女は日本でもよく知られた伝承童謡『マザーグース』の挿絵を手がけた画家としても有名です。

1846年イギリスで生まれ、木版画家であった父親の下で幼い頃から芸術に触れ育ったグリーナウェイは南ケンジントンの美術学校を卒業後、グリーティングカードのイラストなどを手がける挿絵画家としての活動をスタート。
本日ご紹介する作品『窓の下で』は、彼女が1879年に初めて出版した木版画絵本です。

本作に収録された絵や詩は全て彼女がオリジナルで創作したもの。
これは既成の文章が用いられていた当時の絵本業界では、大変画期的な試みでした。
グリーナウェイの描く繊細で可愛らしい子どものイラストは次第に注目を集め、以後一躍人気画家となっていきます。

『窓の下で』の中にはこんな愛らしい詩が収録されています。

窓の下は わたしのお庭よ

  そこには あまい あまい 花が咲くの

 そして 梨の木には

  私の大好きな 駒鳥さんが すんでるのよ 

           (ほるぷ出版 訳)

彼女の奏でる優しい言葉が牧歌的で温かみのある挿絵と相まって、美しい世界を生み出していますね。
一枚一枚木口木版(輪切りにした木の断面を用いる木版画技法。浮世絵に使われる板目木版より精巧で密度の高い彫板に仕上がる)で摺られた、繊細で趣のある作風が特徴的です。

彼女の作品はこののち、美術評論家で知られるジョン・ラスキンの評価も得て、ますます人気が高まっていきました。

当店の店名にもなった『アルマナック』は、1883年から14年間毎年出版された豆本カレンダー。
手のひらサイズの小さな本の中に1月から12月までの暦と四季にまつわるイラストが描かれています。

見れば見るほど可愛らしいケイト・グリーナウェイの本、手に入れたくなります!
でも、お気に入りの本を手に入れても毎日開いてみることは難しいですよね。
だけど、せっかく傍にあるのにもったいない。。

そんな方にはお気に入りのイラストを額装することをお勧めいたします。
靴箱や化粧台を飾るような小ぶりなサイズで、ちょっとしたインテリアやギフトとしても人気があります。
当店でも常時数点を展示しておりますので是非お気軽に足をお運びくださいませ。


(R・K)