ギャルリー・アルマナック吉祥寺　
レオナール・フジタ展

2017/12/2(土)～12/30(土)　会期中無休

企画展概要

フランスを愛し、フランスに愛された日本人画家　レオナール・フジタ

1886年に東京で生まれた藤田嗣治は、東京美術学校を卒業したのち27歳の時に単身パリに渡りました。
奇しくも渡仏後まもなく第一次世界大戦が勃発。
しかし、藤田は同じパリで学ぶ多くの日本人画学生が帰国する中、仕送りが途絶えながらもパリにとどまり模索を続けます。

そして迎えた1920年代。
日本画と西洋画の伝統を取り入れた"素晴らしき乳白色の肌"は、藤田を一気にパリ画壇の寵児へと押し上げました。
しかし、華やかな"狂乱の20年代"の終わりとともに、藤田を取り巻く環境も大きく転換していきます。

1930年代から1940年代はまさに流浪の画家。
中南米や中国、日本各地を転々としながら、現地に暮らす人々の風俗を力強い筆致や色彩で描きました。
また、国家への忠誠に自らを捧げて従軍画家として味わった戦争。
その経験は、画家として日本人として、そして一人の人間としての藤田の晩年の人生に決定的な影響をもたらしたことでしょう。
私生活では4人目の妻マドレーヌとの死別と君代との出会い・・・

1950年以降。追憶のパリへと戻った藤田は、そんな激動の20年を封じ込め自らの精神を鎮めるかのように
穏やかで平和的な作品に没頭していきました。
最後の大仕事となった礼拝堂フジタ・チャペルは、まさに人生の集大成。
波瀾に満ちた82年の藤田嗣治の魂は、今もこの場所に生き続けています。